BIメールニュースNo.097  2011.5.7発行 バックナンバー

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BIメールニュースNo.097  2011.5.7発行

【1】院内集会で読み上げられたメッセージ1全建総連釧路建設ユニオン定期大会のBI決議文「特別決議~私たちはベーシック・インカムを要求する~」

【2】院内集会で読み上げられたメッセージ2「福島に暮らし思うこと」パナソニック電工裁判元原告 佐藤 昌子

【3】BIニュース 憲法記念日に新党日本が談話でベーシックインカムを提起

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私たち「ベーシックインカム・実現を探る会」は、政治的に中立の立場で、「すべての個人への無条件な所得の保証」というベーシックインカムを実現につなげる提言を発信します。

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【1】院内集会で読み上げられたメッセージ1

全建総連釧路建設ユニオン定期大会のBI決議文「特別決議~私たちはベーシック・インカムを要求する~」

特別決議~私たちはベーシック・インカムを要求する~

二〇一一年三月一一に、この国をおそった東日本大地震は、多くの人たちのいのちを奪い、生活の糧を奪った。

さらにこの震災は、釧路に住む私たちの生活をも、一変させることになった。北海道の建設労働者は、冬、働くことができない。春先のこの時期は、私たちにとって、もっとも厳しい季節だ。たくわえは底をつき、ひろい仕事をして喰いつなぐしかない。

震災の影響は、建築資材の不足というかたちで現われた。資材の入荷が滞るということは、その間、仕事ができないということである。末端の現場で働く私たちは、「一日いくら」の日雇い労働者だ。一日仕事を待たされれば、即、その日の収入を失うことになる。

私たちの仲間には、手間請で働く「一人親方」が多くいる。加えてここ数年、とりわけ消費税の免税点が引き下げられてからは、一人親方のように、請負契約で働くものが激増した。社会保険はおろか、雇用保険さえ、掛けてもらえなくなっている。いまや私たち建設労働者はすっかり、所得保障の蚊帳の外なのだ。

国や行政はこの間、「雇用、雇用」と繰り返すばかりだった。冬場も通して働けと、「通年雇用」がしきりとすすめられた。しかしいま、仕事そのものがないのである。仕事をしようにも、できないのである。

すでに述べた通り、仕事ができなければ、私たちは即、生活ができない。そんな私たちに対して、行政が用意しているメニューの多くは、貸付だ。しかも緊急融資にしろ、生活福祉資金にしろ、借りるために面倒な手続きをふむものばかりだ。それらにしても、借りられたところで、果たして返すアテなどあるわけではない。

国はいま、モノ、カネ、そしてヒトを、被災地に集中しようとしている。すでに東北地方に応援に出かけた仲間も少なくない。「東北に行けば仕事はある」というわけだ。

しかしながら、出稼ぎが過酷なものであることを、私たちは知っている。出稼ぎ先は寝る場所の確保さえ容易ではない。給料を持ち逃げされ、帰ることが出来ずにホームレスになったものもいる。戻ってきたところで、地元での職が保障されているわけでもない。

そもそも私たちは、こんな兵糧攻めのような目に遭い、飢えて駆り出される羽目になりたくはない。

私たちは、被災地への支援を惜しまない。しかし、私たち自身が喰い詰めてしまえば、被災地を支援することさえ出来ない。じっさい、明日のコメが手に入らない事態が、仲間うちに生じている。もはや一刻の猶予も許されない。

すべてのものに所得補償を! 私たちはベーシック・インカムを要求する!本大会において右決議する。

二〇一一年四月九日全建総連釧路建設ユニオン定期大会

【2】院内集会で読み上げられたメッセージ2福島に暮らし思うこと パナソニック電工裁判元原告 佐藤 昌子

2009年12月、パナソニック派遣切り裁判で勝訴和解。正社員として職場復帰した佐藤昌子さんは、震災後に引き取ったご家族の介護をしながら、郡山市で労働相談もされています。そのご多忙な時間を割いて、メッセージを寄せてくださいました。(白崎朝子)

今、福島では、テレビやラジオから日に何度も流れる曲があります。

I love you ふくしまI need you ふくしま明日からすべてが始まる明日から新しい日々だよ・・・・・

この曲を聴くと涙が溢れてきます。今ほど、福島を好きだと思ったことはありません。

今、桜が満開です。いつもの風景と何ら変わらないことによけい悲しくなります。福島県は、放射能と余震に怯え、産業も雇用も悪化し、いわれの無い風評被害で苦しんでいます。復興のめども立っていません。励ましをありがたいと思う一方で、いやでも『棄民』であることを意識させられ、強い憤りも感じています。

私の住む郡山市は、第一原発から60キロ離れていますが、今でも放射能レベルは2マイクロシーベルトに近い数値で、何時起きるかも知れない爆発の不安も重なり、緊張の日々を送っています。避難することは失業を意味し、高齢者を抱えての避難などなおさら考えられません。一日も早く放射能が収まり、復興が始まることを願うばかりです。

夫は第2原発のある双葉郡楢葉町の出身で、第一原発からは10キロ、第2原発からは4キロの場所に自宅があります。親戚や知人は退避を余儀なくされ全国に散らばりました。

東京には、高齢の親と共に2組の親族が避難しましたが、介護をしながら、住まいと仕事を探しています。

我が家にも震災翌日から、母と、同居していたパーキンソン病の叔母が避難してきました。母は、1月に脳出血を起こし、2月には父が他界し、今回の地震と不幸が続いて、認知症が進行し、再認定を希望していますが、1ヶ月経ってもまだ調査は入っていません。包括支援センターの職員の話では、どこの施設も定員オーバーだそうです。

震災まで元気でいた87歳の叔父は、避難先の体育館で風邪をこじらせ肺炎で亡くなりました。グループホームごと郡山市に避難して来た97歳の叔母は、容態が悪化し入院しましたが、退院後に入所するための施設がみつかりません。今の状況で被災地の当事者が、自らの力だけで病院や施設を探すことはとても困難です。命を落とす前に、広域で支援の手が差し伸べられることを切に望みます。

私自身、母の介護が始まり生活が一変しました。社会活動にも制約を受け、介護サービスが受けられなければ仕事も続けられなくなります。

労組には、震災による解雇の相談が頻繁に入り、福祉や社会保障の切り捨ても危惧されています。マイナスからの復興を果たすためには、労働の担い手が安心して働くことの出来る労働環境と、雇用の安定は不可欠であり、人々が生き延びるための社会保障と、介護施設や保育所の増設は、そのための最低条件だと捉えています。被災地においては、このことなしに、雇用の創出などありえません。

今、私たちに求められることは、臆することなく、新しい価値観で復興へのビジョンを描き、政府に突きつけることだと思います。

私たち自身が信念を持ち、行動し続けることが、共に生きるための『新しい日々』の一歩だと信じています。

【3】BIニュース 憲法記念日に新党日本が談話でベーシックインカムを提起

田中康夫衆議院議員(新党日本代表)は憲法記念日に、基本的人権尊重の文脈で、ベーシックインカム導入を提起しています。

下記談話です。

お題目を超えた基本的人権尊重と平和主義実践が、震災であらためて求められる。最低限所得を保障するベーシック・インカム導入と、天変地異に直面した地域へ駆けつける国際救助隊創設を目指す。(田中康夫代表談話)

憲法記念日:各党が談話(毎日新聞)

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110503k0000m010125000c.html

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