BIメールニュースNo.112  2011.8.27発行 バックナンバー

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BIメールニュースNo.112  2011.8.27発行

【1】働き方の大変化        ベーシックインカム・実現を探る会 主任研究員  古山 明男

【2】関曠野さん講演会3・11以後~~原発事故をくぐった日本の将来を考える

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私たち「ベーシックインカム・実現を探る会」は、政治的に中立の立場で、「すべての個人への無条件な所得の保証」というベーシックインカムを実現につなげる提言を発信します。

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【1】働き方の大変化        ベーシックインカム・実現を探る会 主任研究員  古山 明男

ベーシックインカムが実現したら、働き方に大変化が起こります。「クビにされても怖くない」社会がやってくるのです。

あんまりひどい職場なら、さよならできる。我慢はそこそこでいい。

職業というのは多くを要求するものです。賞罰と規律が根底にあります。雇用はどうしても封建的主従関係に近いものになります。

しかし、ベーシックインカムがあると、人はクビにされても最低限は生きて行けます。会社に抗議できますし、待遇が悪い職場からは、どんどん人が逃げ出してしまうでしょう。そうなると、働く環境はほんとうによくなってくるでしょう。

ちょっと待って、という考えもあるかもしれません。ベーシックインカムがあると会社に抗議すれば、「あ、そう。じゃ、辞めていただきましょうか。食っていけるでしょう」も会社から言いやすくなります。

これは困ります。やはり、「不当な理由なく解雇していはいけない」という現在の法律を変えてはいけません。

しかし、大きく言えば、ベーシックインカムができると会社も個人も雇用にさほどこだわらなくなり、より対等な契約関係を結ぶようになるでしょう。

近代になって、封建時代の主従関係は、対等な人間同士の契約関係に変化しました。それに匹敵する変化が、ベーシックインカムのある社会で進行するでしょう。それぞれの人が自分の目的に合った働き方をするようになります。

収入は少なくてもいいから時間を最小限にしたい人たちもいるでしょう。仕事は嫌いじゃないけれど、責任最小限、気楽さ最優先で、軽い仕事をしていたい人たちもいるでしょう。いっぽう、仕事に熟達したい人たちもいますし、積極的に責任を引き受けたい人たちもいます。会社は、そういういろいろな動機の人たちが集まる場になります。働く時間も、責任の取り方も、さまざまな契約が生まれてくるでしょう。

そうしたら、どうせ食えるんだからとなげやりな仕事をする人が増えませんか?そういう疑問も湧きますね。でも、それはむしろ現在の会社で雇用されている人たちに言えることではないでしょうか。

労働を「雇用」という枠組みにすべて押し込める必要があるのでしょうか。それは個人の自由を奪っているし、無駄な仕事が消滅しなくなっているのではありませんか。

<古山明男 氏 プロフィール>教育、社会問題を研究。

2009年7月12日の当会主催の勉強会で「ベーシック・インカムのある社会」を講演。講演録

http://bijp.net/transcript/article/91

http://bijp.net/transcript/article/98

【2】関曠野さん講演会3・11以後~~原発事故をくぐった日本の将来を考える

「戦前の日本帝国はヒロシマで終わり、戦後の日本株式会社はフクシマで終わった」(関曠野「図書新聞」3011号より)

  1. 11は、私たちに何をもたらし、私たちはどこへ向かえばよいのか。グローバルな歴史的視野で3・11以後を考える思想史家関曠野さんの講演会です。

    9月24日(土) 午後6時~8時終了予定(開場午後5時30分より)会場:調布市文化会館たづくり8F映像シアター(京王線調布駅南口徒歩3分)

    http://www.chofu-culture-community.org/forms/menutop/menutop.aspx?menu_id=723

    入場、無料定員:申込み順100名

お話 関曠野さん   プロフィール1944年生まれ。評論家(思想史)。共同通信記者を経て、1980年より在野の思想史研究家として文筆活動に入る。思想史全般の根底的な読み直しから、幅広い分野へ向けてアクチュアルな発言を続けている。著書に『プラトンと資本主義』、『ハムレットの方へ』(以上、北斗出版)、『野蛮としてのイエ社会』(御茶の水書房)、『歴史の学び方について』(窓社)、『みんなのための教育改革』(太郎次郎社)、『民族とは何か』(講談社現代新書)などがある。また訳書に『奴隷の国家』ヒレア・べロック(太田出版)がある。現在、ルソー論(『ジャン=ジャックのための弁明 ― ルソーと近代世界』)を執筆中。

主催調布市西部公民館  〒182-0035 調布市上石原3-21-6

※講演の中で、通貨改革や所得保証にもふれる内容となります

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