BIメールニュースNo.034  2010.02.13発行 バックナンバー

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BIメールニュースNo.034  2010.2.13発行

【1】『「バラまき」という言葉の再定義を』          星 飛雄馬

【2】ベーシック・インカムを考える集い

「豊かさの中で広がる貧困とベーシック・インカム」

【3】BIニュース NHKBS2 ザ☆ネットスター! ねとすた動画-2月号大反省会で

東浩紀氏などの参加者がベーシック・インカムについて語り合いました

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私たち「ベーシックインカム・実現を探る会」は、政治的に中立の立場で、「すべての個人への無条件な所得の保証」というベーシックインカムを実現につなげる提言を発信します。

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【1】『「バラまき」という言葉の再定義を』

星 飛雄馬

いよいよ、この4月から子ども手当がスタートします。子ども手当は世帯単位に給付されるため、ベーシック・インカムの条件である「無条件性」と「個別単位」のうち、「個別単位」の要件を満たしません。ですから、厳密にはベーシック・インカムとはいえませんが、15歳以下の全国民に資力調査や所得制限無く、一律に現金が給付されるという意味では限りなくベーシック・インカムに近いものであるといえます。

現在、一部からこの子ども手当に対して「バラまきだ」という批判の声があがっています。しかし、そもそもどのような財政政策であれ、所得の再配分という要素をもっています。その場合、より効率的に所得再配分をおこなうことは、私たちの税金を無駄にしないという意味でも、極めて重大なことです。ベーシック・インカム(子ども手当)は、公共事業などと比べ、極めて高い所得再配分の効果をもっていると考えられています。

小泉政権の頃、私たちは「痛みを伴う」改革がなされると信じ、デフレ下の経済状態を耐え忍んできました。ワーキング・プアといわれるかたたちが大量に発生したのもこの頃です。「痛みを伴う」改革は、トリクルダウン理論という考え方に基づきおこなわれました。これは、大企業を中心に重点的に優遇措置を取ることにより、やがては中小企業、消費者へと好況の波が連鎖するという発想です。

しかし、これはうまくいきませんでした。大企業を中心に業績は回復したものの、その恩恵が個々の家計にまで及ぶことはなかったのです。これは、グローバリゼーションなどにより、私たちをとりまく経済環境が複雑化していることにもよります。

ですから、今こそ直接家計を支援する財政政策が必要なのです。その切り札が、ベーシック・インカム(子ども手当)です。直接給付を実行することにより、家計に所得を効率的に返すことができます。子ども手当が、仮に高所得者にも一律に給付されることが不公平であると考えるなら、その調整は所得税の累進性を高め、高所得の世帯に財源をより多く負担してもらうという対策によってクリアーすることができます。

私たちは、もう一度「バラまき」という言葉の定義を考え直す必要があります。市場のメカニズムによる自律的な調整だけで、経済がうまくまわっていかないことは、今や誰の目にも明らかです。どのような形にせよ、財政政策による再配分をおこなわなければならない以上、「バラまき」という定義が曖昧な言葉を使うことは避け、より効率的な再配分のシステムを模索するべきではないでしょうか。

<星 飛雄馬 氏 プロフィール>

1974年長野県生まれ。ベーシック・インカム研究所研究員。東京都立大学大学院社会科学研究科修士課程修了。東京大学社会情報研究所教育部修了。著書に『やさしいベーシック・インカム』(サンガ)(共著)などがある。

【2】BIニュース NHKBS2 ザ☆ネットスター! ねとすた動画-2月号大反省会で

東浩紀氏などの参加者がベーシック・インカムについて語り合いました

東浩紀氏がベーシックインカムに言及していることを、以前メールニュースでもご紹介しました。

http://bijp.net/mailnews/article/133

その後、東氏は『文學界』で堀江貴文氏と対談するなど、ベーシックインカムについて何度も

http://www.bunshun.co.jp/mag/bungakukai/bungakukai1001.htm

その東氏が、NHKBS2 ザ☆ネットスター! ねとすた動画 - 2月号大反省会で、ある程度まとまった形でベーシックインカムについて、同席した参加者と語り合いました。

http://www.nhk.or.jp/netstar/mov_hansei_1002_03.html

インターネットやアニメに関心がある人向けの番組らしく、BIのある社会について、参加者が「マッチ売りの少女がいなくなる」「携帯電話の無料通話みたいだ」「食べる人が摂食した方が得だ」など、新奇なシミュレーションをしていて、とても新鮮でした。

東氏は、まだ夢っぽいけれども、私たちが生きている30~40年の間にどこかの国が実現するだろうと想定していました。

2月20日には【第1回朝までニコニコ生テレビ!】で再び、東氏が司会して、山森亮氏を講師として、ベーシックインカムについて長時間語り合うようです。

http://togetter.com/li/5401

30~40年のBI実現ロードマップについて語られることがあるのでしょうか。とても楽しみです。

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発行 : ベーシックインカム・実現を探る会、編集長:野末雅寛

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