BIメールニュースNo.049  2010.05.29発行 バックナンバー

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BIメールニュースNo.049  2010.5.29発行

【1】ベーシック・インカム日本ネットワーク設立集会参加感想(後編)

屋嘉比ふみ子

【2】BIニュース

5月22日のBSデジタル11「田中康夫のにっぽんサイコー!」にて、

ベーシックインカム・実現を探る会代表の白崎一裕氏が田中康夫氏と対談

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私たち「ベーシックインカム・実現を探る会」は、政治的に中立の立場で、

「すべての個人への無条件な所得の保証」というベーシックインカムを

実現につなげる提言を発信します。

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【1】ベーシック・インカム日本ネットワーク設立集会参加感想(後編)

屋嘉比ふみ子

二日間この集会に参加してまず感じたことは、BIネットワーク主催者の趣旨には、女性の労働権や女性の貧困というジェンダーの視点が抜け落ちているということだ。現在全労働者の41%以上が女性であるが、女性労働者の54%が非正規で不当な賃金格差や身分差別を受けている。均等待遇は保障されず、女性のワーキングプアは半世紀も続いてきた。その現実を無視した形で、BIさえ実現すれば、他の条件も揃うはずという安易さは如何なものだろうか。60年代後半の、「社会主義革命さえ成功すれば女性差別もなくなる」という男たちの現実逃避に酷似しているといえる。

政治や経済の状況はとても複雑だ。民法すら改正できない超未熟な社会である今の日本の現状で、BIを重要課題として求めるのは危険すぎる。均等待遇を実現できなかった、あるいは男の既得権を保持するために実現しようとしない労働組合の責任こそ問うべきではないか。最低賃金の大幅増額や公正な雇用の確保が前提として考えられなければならない。

少なくとも、女性の貧困をなかったことにして、また女性の仕事の価値を見なかった、見えないものと捨ててきた現実を反故にしてBIを!という要求はありえない。

「生まれて生きている、それだけで価値がある」と誰もが実感できるためには、住宅、教育(保育)、医療(介護)などの社会保障の実現と均等待遇がセットでなければならない。BIは身分差別や不当な格差を解消することはないし、むしろ格差拡大につながるかもしれないと危惧するところである。新自由主義に取り込まれ価格破壊が一層進む恐れもあり、極めて慎重に議論を重ねるべきだと痛感した。

下記サイトより転載

http://wan.or.jp/modules/articles0/index.php?page=article&storyid=299

屋嘉比ふみ子氏

81年~2007年 京ガスで勤務

98年、日本で初めてペイ・エクイティを掲げて男女賃金差別裁判を京都地裁に提訴。

01年、勝利判決を得て、05年、大阪高裁で勝利和解解決。

現在、PECO(ペイ・エクイティ☆コンサルティング・オフィス)代表。

働く女性の人権センターいこ☆る 運営委員、均等待遇アクション21事務局。働

く女性の全国センターACW2 運営委員。87年、おんな労働組合(関西)結成に参加

し、以後21年間コミュニティ・ユニオン全国ネットで活動。

【2】BIニュース

5月22日のBSデジタル11「田中康夫のにっぽんサイコー!」にて、ベーシックインカム・実現を探る会代表の白崎一裕氏が田中康夫氏と対談YouTubeにもアップされました。

5月22日のBSデジタル11「田中康夫のにっぽんサイコー!」ニッポン再興へのSeedsにて、ベーシックインカム・実現を探る会代表の白崎一裕氏が、ベーシック・インカムを新党日本の公約に掲げている田中康夫氏と、ベーシック・インカムをめぐって対談しました。

http://www.bs11.jp/news/213/

http://www.love-nippon.com/BS11.htm#35

番組はYouTubeにもアップされ、実現を探る会のサイトでもご覧いただけます。

http://bijp.net/data/article/182

まずは、白崎氏が社会信用論にもとづくベーシック・インカムの考え方を紹介し、次に田中氏が所得税30%の財源論を示しました。両者の共通見解としては、福祉の水準を切り下げて、それをベーシック・インカムの財源に充ててはいけないという点でした。

今まで何度かベーシック・インカムがテレビで紹介されたことがありましたが、社会信用論に基づく考え方が紹介されたのは初めてだと思われますので、その点では大変画期的な内容でした。

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発行 : ベーシックインカム・実現を探る会、編集長:野末雅寛

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