BIメールニュースNo.009  2009.08.15発行 バックナンバー

バックナンバーの公開は発行後1ヵ月後になりますので、メールマガジンでのご購読をおすすめします。

BIメールニュースNo.009  2009.08.15発行

バックナンバーの公開は発行後1ヵ月後になりますので、メールマガジンでのご購読をおすすめします。

1 『ベーシックインカムの政治論 その1』 白崎一裕(第三土曜日執筆)

2 ベーシック・インカム日本ネットワーク設立大会のご案内

3 BIニュース “ベーシック・インカムを掲げる政党と衆院選立候補者”


1 『ベーシックインカムの政治論 その1』

ベーシックインカム・実現を探る会 代表 白崎一裕


「現在のベーシックインカム(以下BI)の論点は、おおよそ以下の3点にまとめることができると考えている。第一点は、BIの倫理論。これはフリーライダー論に代表される議論でBIにより働かなくなるのではないか、とか、お金をくばるなんて無責任ではないか、ということに関する議論だ。第二点は、財源論。BIは良い話だが財源はどうするんだ、ということで、一律所得税案、消費税案、環境税・土地税案、公共通貨発行案などがある。そして、第三点目は、BIの政治論。これは、BIを実現する方法とそれを担うのは誰なのか、という議論だ。これまで、第一と第二の論点は、それなりに議論されてきたと思う。しかし、第三の政治論については、まだまだ、議論が不十分だろうと思われる。そして、実は、政治論が充実してこないと第一と第二の論点が空論化する恐れがある。私は、財源に関しては公共通貨発行案を採用しているが、これを実現するためには政治論が不可欠だ。

マスコミでは国政選挙の話題で盛り上がっている。新党日本など政権公約にBIを掲げている政党もあるから、ここで、じっくりとBIの政治論について考えてみるのも良いだろう。

さて、BIを誰が担い、その運動を中心にすすめていくのかを考えるときに、その根拠となるのが、「格差」なんていう言葉では生ぬるい表現だと思われる日本社会の分断化だ。その分断の亀裂は、まず、世代間(若者とその先行世代)および地方と中央に鋭く生じている。そして、その周辺に第一次産業の疲弊もあれば、ひとり親(母子・父子世帯など)たちの貧困問題もあり、視点を世界規模に移せば圧倒的な富の偏在がある。これらの分断化のなかからBIの主体が生まれてくると考えるが、その第一候補となるのが「地方からのBI提言と実践」だ。私の住んでいる栃木県では、県債(県の借金)が現在約一兆円ある。そして、この県債は、バブル崩壊後の国の景気対策ということで、1992年(平成4年)から急速に増えている。今年度(平成21年度)、栃木県は、県の「積立貯金」とでもいうべき財政調整的基金が底をうち毎年300億円の財源不足になるという(県のHPより)。このようになったのはなぜか?それは中央政府のちょうちん持ちのような政策を県がおこなってきたからに他ならない。(この稿、続く)

〈白崎一裕 氏 プロフィール〉

ベーシックインカム・実現を探る会 代表。

株式会社 共に生きるために 代表取締役

http://www.livetoge.com/


2 ベーシック・インカム日本ネットワーク(BIJN)設立大会のご案内


BIEN (Basic Income Earth Network)と連携した日本におけるネットワークとして「ベーシック・インカム日本ネットワーク」(Basic Income Japanese Network BIJN)が来年の3月に設立されます。日本におけるベーシック・インカムの歴史に大きな一歩を記します。

その案内について下記に紹介いたします。

ベーシック・インカム日本ネットワーク設立大会

日時:2010年3月27日(土)

場所:同志社大学今出川キャンパス

国内各地の他、イギリス、イタリア、韓国などからも結集予定。

9月になれば詳細が明らかになりますので、順次お知らせいたします。

同じく同志社大では、以下の企画もあります。

同志社大学経済学会シンポジウム

『ベーシック・インカムは市場社会に人間の尊厳を取り戻せるか

:ロナルド・ドーア先生を囲んで(仮)』

日時:11月13日(金)13時15分-16時30分

メイン・スピーカー:ロナルド・ドーア教授(本学名誉博士)

「尊厳と貧困:ベーシック・インカムをめぐって」

シンポジスト:

橘木俊詔(本学ライフリスク研究センター所長)

小沢修司(京都府立大学公共政策学部長)

司会:山森亮(本学経済学部教員)

詳細は8月下旬には確定予定ですので、決まり次第お知らせいたします。

以上の情報は『ベーシック・インカム入門』の著者である山森亮さんからご協力いただきました。


3 BIニュース

“ベーシック・インカムを掲げる政党と衆院選立候補者”


衆院選の公示日が迫ってきていますが、『金融崩壊後の世界 資本主義というマ

トリックスからの脱却』で安部芳裕氏と対談した佐々木重人氏が下記の政策を掲げ、

秋田2区より「みんなの党」の公認を受けて出馬します。

http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20090808q

http://www.your-party.jp/manifest.html

  • 日銀を廃止し、通貨を日本政府が発行することで、通貨発行権を国民の手に取り戻し、お金の問題の根本的解決を図る。
  • ベーシックインカムを制度化し、すべての国民に、月額最低8万円の所得を確保することで、国民の失業の不安を完全になくする。

インターネット上に明確なソースがありませんが、公示日以降に情報が上がればご紹介します。

「みんなの党」のマニフェストには下記の政策が掲げられていて、ベーシック・インカムへの志向性は、新党日本に次いでいます。

http://www.your-party.jp/manifest.html

  • 「給付つき税額控除方式」
  • 基礎年金や生活保護を統合した「ミニマムインカム」を導入。
  • 子育て手当を欧州並みに(2万円~3万円/人・月)。義務教育期間まで支給。

○BIメールニュースは、ベーシックインカム・実現を探る会の活動情報などをお届けする無料のメールマガジンです。まぐまぐで直接購読を申し込まれた方にお送りしています。

○登録・配信停止・アドレス変更はまぐまぐにてお手続きください。

○転載は大歓迎ですが、「ベーシックインカム・実現を探る会 BIメールニュースno.xxx」のようにクレジットを御記載ください。またinfo@bijp.net宛てに転載の旨、ご一報いただければ幸いです。

○みなさんのご意見をお待ちしています(800字以内でお願いします)。

info@bijp.net

不掲載をご希望の場合は、必ずその旨を明記して下さい。また、氏名、肩書きは、特にご指示がなければそのまま掲載します。イニシャル、匿名、ハンドルネーム使用の場合は必ず明記して下さい。なお、盗作、名誉毀損、人権侵害、差別的な記述などの投稿は、禁止いたします。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

発行 : ベーシックインカム・実現を探る会、編集長:野末雅寛

info@bijp.net

http://bijp.net/

Copyright©2009-ベーシックインカム・実現を探る会-All rights reserved.

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

トラックバック :