BIメールニュースNo.105 2011.7.4発行
6月15日、震災復興基礎所得保障と生活再建のための現物支給を政府に要求する院内集会の第二回を盛会に開催させていただきましたが、その時、日本でもBIの提唱者として広く知られるゲッツ・W・ヴェルナー氏からメッセージを寄せてもらっていました。
その時の日本語訳をこちらでもご紹介します。
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私たち「ベーシックインカム・実現を探る会」は、政治的に中立の立場で、「すべての個人への無条件な所得の保証」というベーシックインカムを実現につなげる提言を発信します。
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ゲッツ・W・ヴェルナー氏からの院内集会へのメッセージ
日本でベーシック・インカムの実現を目指すみなさま!
すでに40年前にマーシャル・マクルーハンが地球上の社会的・経済的な状況を指して命名したグローバル・ヴィレッジ、つまり地球村では、それぞれの国の立脚点は異なっているとしても、社会的な挑戦と課題提起は類似しています。
あらゆる共同体が提示する課題は、私たちはどのような社会に暮らしたいのかということです。この問いかけに対する回答を吟味した結果明らかになるのは、可能な限り多くの市民に国民経済の成果の分け前に与ることを承認し、それによって社会生活への関与を可能にすることに成功した社会は高い繁栄を経験していることです。
豊かな国々すべてに共通していること、それは私たちが事実上の他給自足社会に生活していることです。つまり、私たちは他者のために働き、かつ他者の成果に依存しているという事実があり、その結果として私たちの生活が成り立っていることです。この現実に目を向けるならば、一個人が自分の家族や仲間のために、あるいは顧客のために活動できるようになるためには、まず一個人の基本的欲求が保障されなければなりません。
基本所得、つまりベーシック・インカムは、各人が自身の能力と技能を共同体の福祉のために発揮することを可能にします。多くの人びとが地震と津波に襲われた日本では、ベーシック・インカムによって人びとは困難な状況を克服できるという気持ちを持つことができます。克服可能性――それは、社会学者アーロン・アントノフスキーが確認したところによれば、人間が健康でいられる、もしくは速やかに健康になるために必要な本質的な構成要素なのです。
私は、次のように言える時期が到来していると確信しております。すなわち、ベーシック・インカムは未来志向の共同体にとって有効かつ必要不可欠であるということです。
日本の市民のためのベーシック・インカム実現を目指すみなさまの活動を私は高く評価するとともに、みなさまの活動が実を結ぶことを心から祈念いたします。みなさまが災害後のこの時期を捉えて、内的確信と断固たる態度をもって適切な機会を利用することによって、日本の市民のあいだにベーシック・インカム理念に対する共感と感激の念が呼び起こされんことを願っております。
心からの挨拶を送ります。
ゲッツ・W・ヴェルナー
▼参考リンクヴェルナー氏は、下記の2冊のベーシックインカムに関する書籍で、日本でも知られていますが、2冊とも渡辺一男氏によって翻訳されています。そして、今回のメッセージは、渡辺一男氏に翻訳していただきました。改めて、ご尽力深謝いたします。
『ベーシック・インカム――基本所得のある社会へ』
http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-6963-7.htm
『すべての人にベーシック・インカムを――基本的人権としての所得保障について』
http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-6997-2.htm
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