BIメールニュースNo.158 2012.7.21発行
【1】「減価貨幣ベーシックインカム」の新構想
【2】『現代ドイツ政党政治の変容--社会民主党、緑の党、左翼党の挑戦』
【1】「減価貨幣ベーシックインカム」の新構想
時折ご紹介している「巷間哲学者の部屋」ブログから、記事を紹介いたします。
大変長い記事ですが、再生可能エネルギーや電子マネーにまで考察が行き届いた論考です。業者間取引にまで使える通貨を構想していて、それはスイスのWIRを連想させます。
【2】『現代ドイツ政党政治の変容--社会民主党、緑の党、左翼党の挑戦』
脱原発とベーシックインカムを根源的に考える書籍が出版されています。全世界的に政党政治の限界も見えている中で、政党政治の枠組みで考察する点に疑念が残りますが、環境先進国であるドイツを引っ張ってきた緑の党に学ぶ点はあると考え、下記の書籍をご紹介します。
『現代ドイツ政党政治の変容--社会民主党、緑の党、左翼党の挑戦』
内容紹介現代政治において、アイデンティティを問われる事態に直面している“左翼”。政党政治再編渦中のドイツで、最近、「連帯的近代のための機構」という左派の超党派シンクタンクが誕生したそうです。果たして、左翼の再構築は可能なのか、グローバル経済へのオルタナティヴは可能か、を展望していただきます。
また、日本のメディアでも取り上げられることの多いドイツ緑の党については、どのような歴史的経緯を経て現在の姿に至ったかも、分りやすく説明いただきます。もちろん、3.11以後の動きも紹介されています。
【目次】はじめに 本書の問題関心と構成
第1章 2005年連邦議会選挙後の政治的再編成
1 五党制の定着と政党連立問題
2 州における経験
第2章 各党の党内状況とプログラム的展開
1 社会民主党(SPD)
2 90年同盟/緑の党
3 左翼党
第3章 超党派的左翼再編成
1「連体的近代のための機構」の誕生
2 新旧左翼の統一は可能か
3 政治的関与の新しいかたち?
第4章 :経済グローバル化時代への政策提言
1 世界金融危機からユーロ危機へ
2 オルターナティブの可能性と限界~~背景的説明と批判的検討
第5章 新エネルギー・コンセプトの政治的位置
1 環境政治の今日的展開
2 「エコノミーとエコロジー」の根本問題
3 脱原発と再生可能エネルギーの理論的射程
第6章 根源的民主主義と社会的連帯を求めて~~ベーシック・インカム再論
1 ベーシック・インカムとは何か~~定義およびその多義性
2 ワーク・シェアリングと最低限所得保障
3 社会的排除への処方箋?
4 リバタリアン的価値と左翼のジレンマ
終 章 ポスト赤緑連立時代の新たな政治的同盟
参考文献欧文略称一覧
あとがき
事項索引人名索引