BIメールニュースNo.001  2009.06.20発行 バックナンバー

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BIメールニュースNo.001  2009.06.20発行 バックナンバー

1 『ベーシックインカム・実現を探る会 事始め!』 白崎一裕

2 第3回ベーシック・インカム入門の集い 2009年7月12日(日)

3 BIニュース “安心社会実現会議における給付付き税額控除の議論”


1 『ベーシックインカム・実現を探る会 事始め!』

ベーシックインカム・実現を探る会 代表 白崎一裕


「すべての人は個人単位で無条件に尊厳ある暮らしを営むために必要な所得への権利を有する」

このような権利を実現しようとその可能性を探って、さまざまな情報提供や提言をしていこうというのが、私たちの「ベーシックインカム・実現を探る会」の当面の目的である。

もちろん、そんな権利があったらいいけれどーーーーと、「けれど」の疑問符がたくさんつくことは承知している。それらを、ここで仮に、ベーシックインカムの実現を妨げる三つのバリアと呼ぼう。

まず、第一に ベーシックインカムがあったら人間は怠け者になって誰も働かなくなり社会が荒廃するだろう、というベーシックインカムへの意識のバリアがある。そして、第二に、ベーシックインカムがあると様々な社会保障費がなくなり、実際には困る人が増えるのではないか?というベーシックインカムへの制度のバリアもあろう。また、第三に、お金持ちにもお金を配るなんて理不尽だし、そもそも、そんな財源なんてないでしょう?というベーシックインカムへの財源のバリアがある。

どのバリアにもさらに細かいバリアが何重にもはりめぐらされているかもしれない。しかし、私たちは、ベーシックインカムのためのバリアフリーな方法を探っていこうとしている。

その方法への最初の入口をすこし考えてみよう。ある経済に詳しい人がこんなことを言っていた。

「個人が、自分でお金を印刷して好きなものをどんどん買うのは違法行為だよね。でも、日銀は好きなだけお金をつくる権限をもっているんじゃないかなーー。それに、それを警察も止めたりしないもんね。」

そんなのあたりまえだ!と思われるかもしれない。でも、少し考えてみよう。どうして、日銀(中央銀行)はお金をつくることができるのだろう。そして、そのお金を私たちに配ってくれればいいじゃないか?とは考えられないだろうか?また、私たちが住んでいる自治体でお金を印刷して、自治体の中で買い物をできるようにしたらどうなるのだろう?と考えられないだろうか。

これらの疑問は、BIへの財源のバリアに関係すると同時に「お金っていったい何なんだろう」という根源的な問いへもつながっていく。これらの疑問を、次回みなさんにお会いする時までの宿題にさせていただこうと思う。みなさんにもお金をめぐる思考の冒険をはじめていただきたい。それがBI実現への近道だと確信している。

〈白崎一裕 氏 プロフィール〉

ベーシックインカム・実現を探る会 代表。株式会社 共に生きるために 代表取締役

http://www.livetoge.com/


2 7月12日(日)第3回ベーシック・インカム(基礎所得保証)入門の集い

ベーシック・インカムのある社会 労働と教育の根本的転換


  1. 第3回 ベーシック・インカム(基礎所得保証)入門の集い

ベーシック・インカムのある社会 労働と教育の根本的転換

◇今回は、教育無償化案などの公共経済にも詳しい教育研究家の古山明男さんをお招きし、ベーシック・インカムからみえてくる教育と労働の近未来について語っていただきます。

日時  2009 年7 月12 日(日)

14:00 ~ 15:40 主催者挨拶/古山明男さんのお話

15:55 ~ 17:40ごろまで。 質問・意見交換

場所  青山学院大学青山キャンパス第14 号館( 総研ビル)11 階 第19 会議室(東京都渋谷区渋谷4-4-25)

参加費     1,000 円( 資料代,お茶代含む)

申込先     フォーラム・スリー

tel.03-5287-4770 /fax.4771

E-Mail info@bijp.net

詳細は   http://bijp.net/newsinfo/article/26

~~主 催~~   ベーシックインカム・実現を探る会


3 BIニュース

“安心社会実現会議における給付付き税額控除の議論”


BIニュースは国内外のベーシック・インカム関連の動きを速報し、ミニ解説をつけて紹介していくコーナーです。

BIニュース 2009/5/24号では経済財政諮問会議で「給付付き税額控除」が提言されたことをご紹介しました。

http://bijp.net/newsinfo/article/50

「給付付き税額控除」は、経済財政諮問会議のみならず、与謝野馨氏の肝煎りで行われている安心社会実現会議でも議題に取り上げられていました。

安心社会実現会議

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ansin_jitugen/index.html

第1回~第3回までは議題に上がっていませんでしたが、第4回から議題に上がり、計5回にわたる議論の末、最終報告がまとまりました。

◎最終報告書 安心社会実現会議報告「安心と活力の日本へ」(6月15日)

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ansin_jitugen/kaisai/dai05/05siryou1-1.pdf

「給付付き税額控除」についての言及は6箇所ありましたが、個人単位か世帯単位かについての言及がなく、また、年収がいくらまで給付を行うのかについて数値が確定しませんでした。

下記の報道では、経済財政諮問会議が2015年度の費用想定として給付付き税額控除に1兆~4兆円を想定していますが、安心社会実現会議では、最終報告書においても具体的な数値が確定しませんでした。

経財諮問会議が試算 安心保障に最大7・6兆円(5月30日)

http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200905300097a.nwc

理念だけ安心社会実現会議で策定して、具体的な実現過程は経済財政諮問会議で議論しようということかもしれません。さらに、ベーシック・インカムのように誰にでも条件を問わず、一律に支給する方向へ移行する芽は、全く見えませんでした。

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発行 : ベーシックインカム・実現を探る会、編集長:野末雅寛

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