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ＢＩメールニュースNo.002 2009.06.27発行 バックナンバー
1 『労賃は絶対なのか』 古山明男
2 第３回ベーシック・インカム入門の集い 2009年7月12日（日）
3 ＢＩニュース “各政党のベーシック・インカムへの姿勢”
1 『労賃は絶対なのか』
ベーシックインカム・実現を探る会 主任研究員 古山明男
今度の7月12日の勉強会での講演でお話させてもらう古山です。
科学技術が発達したとき、多くの人が「これで人間は生活苦から解放される」と思いました。しかしその後、人間は生活苦から解放されていません。大多数の人たちは、生活の糧を得るために、無意味な仕事や長時間労働に耐えています。
たくさんの機械が、私たちの労働に置き換わりました。でも、私たちの労働が機械に置き換わるたびに、仕事を失い収入がなくなる人々が現れます。現在の仕組みでは、科学技術の発達は、常に失業問題と背中合わせです。
多くの政府が、失業問題に対して、“完全雇用”を実現することで解決しようとしました。しかし、政府が完全雇用を実現させることは可能なのでしょうか。またそれは、すべての人にとってほんとうに幸福なことでしょうか。
「人々の生活を保障する手段が、労働賃金しかない」ことが問題なのではないでしょうか。どんなに科学技術が発達しても、われわれが労賃で生きるしかないのであれば、われわれは些末な職を奪い合って生きるしかありません。
科学技術の発達のおかげで、私たちはたいへん生産性の高い国に住んでいます。生産は十分にあるし、投資や投機のためのお金はいくらでもあるのに、人々に必要な生活費が渡らなくて経済危機が起こるのです。
すべての個人の最低所得をまず無条件に保障すべきです。それが経済を安定させます。生活に基づいた安定した購買力が生まれます。
社会保障を「屈辱的な救貧対策」から解放すべきです。すべての人が誇りを持って生きられるようにすべきです。
ベーシック・インカムは可能です。財源問題を解決するための具体案がいくつも出来ています。
しかしベーシック・インカムが、このせわしない大量消費経済の中で個人が生き延びるための策で終わってはいけません。ベーシック・インカムはもっと豊かな可能性を持っています。最低生活費を保障された人たちの中から、意欲的な起業をしたり、社会問題に取り組んだり、研究や創作に打ち込む人たちがたくさん現れてくるでしょう。
そういう人たちは、給料をもらって指示されたからではなく、ほんとうに必要とされるものを産み出すことでしょう。そして私たちも、草の根からの寄付や貸付をすることでそういう人たちを応援できます。
私たちの社会を根底から豊かで住みやすいものにするのは、活動する個人とそれを応援する個人たちのクリエイティブな力でしょう。
こういった内容を今度の7月12日の講演で詳しくお話しようと思っています。
〈古山明男 氏 プロフィール〉
古山教育研究所を主宰
http://www.asahi-net.or.jp/~ru2a-frym/
ブログ「変えよう！日本の学校システム」は多くの支持を受けています。
http://educa.cocolog-nifty.com/blog/
2 7月12日（日）第３回ベーシック・インカム（基礎所得保証）入門の集い
ベーシック・インカムのある社会 労働と教育の根本的転換
- 第３回 ベーシック・インカム（基礎所得保証）入門の集い
ベーシック・インカムのある社会 労働と教育の根本的転換
◇今回は、教育無償化案などの公共経済にも詳しい教育研究家の古山明男さんをお招きし、ベーシック・インカムからみえてくる教育と労働の近未来について語っていただきます。
日時 2009 年7 月12 日（日）
14:00 ～ 15:40 主催者挨拶/古山明男さんのお話
15:55 ～ 17:40ごろまで。 質問・意見交換
場所 青山学院大学青山キャンパス第14 号館（ 総研ビル）11 階 第19 会議室（東京都渋谷区渋谷4-4-25）
参加費 1,000 円（ 資料代，お茶代含む）
申込先 フォーラム・スリー
tel.03-5287-4770 /fax.4771
E-Mail info@bijp.net
詳細は http://bijp.net/newsinfo/article/26
～～主 催～～ ベーシックインカム・実現を探る会
3 BIニュース
“各政党のベーシック・インカムへの姿勢”
ベーシック・インカムについて、各政党はどう考えているのでしょうか。インターネットで調査しましたので、現時点のデータを整理してお送りします。
自民党：なし
（自民党サイト内検索）
ただし、与謝野馨氏は昨年自民党総裁選マニフェストで負の所得税を検討
http://www.yosano.gr.jp/pdf/manifesto.pdf
民主党：ベーシック・インカムの勉強会多数開催
http://www.dpj.or.jp/news/?search=%83x%81%5B%83V%83b%83N%83C%83%93%83J%83%80
（民主党サイト内検索）
また、ベーシック・インカムに熱心な参議院議員が多数います。詳しくは次回取り上げますが、今回はまずは名前だけご紹介します。峰崎直樹氏、朝日俊弘氏、鈴木寛氏、故山本孝史氏などです。
公明党：なし
ただし、BIに類似する給付付き税額控除については多数議論されています。
http://www.yahoo-search.jp/?ord=s&id=300333&kw=%B5%EB%C9%D5%C9%D5%A4%AD%C0%C7%B3%DB%B9%B5%BD%FC
社民党：なし
ただし、BIに類似する給付付き税額控除については議論されています。
共産党：なし
新党日本：多数あり（田中康夫氏はメディアで積極的にBIを紹介しています）
http://www.love-nippon.com/basic.htm
国民新党：なし
政党別で調査すると以上の結果になりましたが、個々の議員レベルでは、興味深い発言をしている人もいます。次回のBIニュースで詳しく取り上げます。
また、興味をもたれた方は、かつて実施された
『週刊金曜日』2009.3.6号
「各党に問う『ベーシック・インカム』に関する緊急アンケート」
http://www.kinyobi.co.jp/backnum/tokushu/tokushu_kiji.php?no=525
もご参照ください。
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