BIメールニュースNo.004 2009.07.11発行
1 『地域通貨とベーシックインカム』(第1回) 今井啓子
2 明日開催! 第3回ベーシック・インカム入門の集い 7月12日(日)
3 BIニュース “国会におけるベーシック・インカムの議論”
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1『地域通貨とベーシックインカム』(第1回)
「恒産なくして恒心なし」(孟子の言葉)
べーシックインカム・実現を探る会 メンバー 今井啓子
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私が携わっている「まちだ大福帳」は、2001年に東京都町田市で誕生した市民グループで、地域通貨「花」を運営しています。
「まちだ大福帳」の主な活動は「ドキュメンタリー映画上映会」を開催したり、地域活動として、町田市街地にあるセイフティ・ボックス周りの花壇を整備する作業をしたりすることですが、いずれも地域通貨「花」のやりとりが中核に位置づけられています。
日本の地域通貨活動の火付け役にもなった『エンデの遺言』がNHK・BSで1999年に放映されましたが、それから1年後に関心のある方々に出会い、その方々と『エンデの遺言』鑑賞会を開いたことが「まちだ大福帳」誕生のきっかけとなりました。
自然が朽ち、人間が老いていく存在であるのと同じように、お金も「減価」していくことが大事であるというエンデやゲゼルの考えに従って、「まちだ大福帳」では「花」を一ヶ月1%減価させています。
というのも、お金が減価すれば、利子でふくらまされた未来の経済成長のために人間が働かされるのではなく、人間がいまを幸せに生きるために働くよう促したいと願っているからです。
その私たちの願いどおり、地域通貨「花」が多く利用されているのは、日々の暮らしや子どもに密着した助け合いなのです。例えば、保育、一時預かり、子どもの送迎、勉強を教えて欲しい、おかずを作って欲しい、ついでの買い物などの用途です。
これらの仕事は、非市場経済とかシャドウ・ワークとか言われていますが、実は、市場経済を根底で支えている重要な礎で、これがなかったら経済どころか人間自体が存続できないはずです。
ところが現在は、経済成長のために働かされてお金を稼ぐことに忙しく、しかもそのお金を稼ぐ源である雇用がどんどん不安定になり、人間存在のおおもとが奪われつつあります。
そんな時に、基礎所得保証がある生活(ベーシックインカム)を知り、一番の解決方法なのではないかと考えました。人間らしい暮らしが保障される「恒産」があって初めて「恒心」が生まれ、「何のために生きるのか」を考えられ、理想に向って生きることができると思うからです。
〈今井啓子氏 プロフィール〉 (第二土曜日執筆)
東京生まれ。夫・娘・息子の4人家族。
結婚、会社勤務、欧州本社の日本支社立ち上げの手伝いした後
1999年NHK・BS番組『エンデの遺言』に出会い、
地域通貨『花』を使う活動『まちだ大福帳』を始めて現在に至る。
「ベーシックインカム 実現を探る会」メンバー
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2 いよいよ明日開催! 残席あります!
7月12日(日)第3回ベーシック・インカム(基礎所得保証)入門の集い
ベーシック・インカムのある社会 労働と教育の根本的転換
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- 第3回 ベーシック・インカム(基礎所得保証)入門の集い
ベーシック・インカムのある社会 労働と教育の根本的転換
◇今回は、教育無償化案などの公共経済にも詳しい教育
研究家の古山明男さんをお招きし、ベーシック・インカムからみえてくる
教育と労働の近未来について語っていただきます。
日時 2009 年7 月12 日(日)
14:00 ~ 15:40 主催者挨拶/古山明男さんのお話
15:55 ~ 17:40ごろまで。 質問・意見交換
場所 青山学院大学青山キャンパス
第14 号館( 総研ビル)11 階 第19 会議室
(東京都渋谷区渋谷4-4-25)
参加費 1,000 円( 資料代,お茶代含む)
申込先 フォーラム・スリー
tel.03-5287-4770 /fax.4771
E-Mail info@bijp.net
詳細は http://bijp.net/newsinfo/article/26
~~主 催~~ ベーシックインカム・実現を探る会
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3 BIニュース
“国会におけるベーシック・インカムの議論”
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ベーシック・インカムについて、国会ではどのように議論されているのか、
前回のメルマガで報告しました。
引き続き、現時点のデータを整理してお送りします。
169 参議院国民生活・経済に関する調査会 5号 平成20年04月16日
岩田正美委員が、松あきら参議院議員(公明党)と中谷智司参議院議員(民主党)に対して
御質問は、多分ベーシックインカムとかネガティブタックスと言われるようなことに関してだと思いますが、その前に住宅手当のことについてちょっと補足させていただきます。
(中略)
それはちょっと余計なことでございますが、先ほど御質問がありました税制度に乗せた所得保障というのは、普遍主義的なやり方で、つまり生活保護を受けている人だけじゃなくて税金を取られている人にとってもこれはベーシックインカムというふうになります、もしも、少しさっきのネガティブ・インカム・タックスからもうちょっと敷衍しますと、みんな例えば一律八万円とかというのを所得保障すると考えるわけですね。その八万円を、税金を払える人は減税分、払えない人は乗るというような、こういう考え方になります。
(中略)
ですから、ベーシックインカムとかそういう税制との関連とかそういう資産との関連ですね、こういうのは、日本はようやくワークフェアにちょっと突入したばっかりみたいな感じで、二回りぐらい遅れちゃったというちょっと感じは持っていますけれども、もちろん各国それぞれの事情はありますから、まねすればいいというものではないんですけれども、研究の余地はあると思います。
参考:岩田正美氏の著書
『現代の貧困─ワーキングプア/ホームレス/生活保護』(ちくま新書)
171 参議院財政金融委員会 3号 平成21年02月12日
峰崎直樹参議院議員(民主党)が与謝野馨財務大臣に対して
そうすると、だんだんといろんな議論をしていくうちに消費税のウエートが高まって、議論が今度も附則第百四条で出てくるんでしょうけれども、そうすると、保険と税というのは、今までのように分けられているというものの在り方が、これはこのままでいいのかなという、そんな思いで、これはヨーロッパの国々で最近非常にはやっている言葉なんですが、ベーシックインカムという言葉があるんだそうです。要するに、仕事に就いてないときは、もうミーンズテストとかなんとかじゃない、とにかく一定程度生活できる金額は保障しようじゃないかと。これだけの発達した資本主義国になっていて、経済力豊かになってきているときに、いや、保険だから支出しましょう、あなたはこういう条件に合うから支出しましょうじゃなくて、もう完全にそういうある意味ではベーシックインカムということでインカム差し上げますと。こういう聞いたら大胆な発想をして、これきっと社会民主主義の考え方に立っている人が言っているのかなと思ったら、経営者の人たちもそれに賛同する人たちが出てきているということなんです。
参考:峰崎直樹氏
第二次、第三次鳩山由紀夫「ネクスト・キャビネット」財政金融大臣
菅直人「次の内閣」ネクスト財務大臣、
第二次岡田克也「次の内閣」ネクスト内閣府大臣
前原誠司「次の内閣」ネクスト財務大臣(経済財政担当)
第一次、第二次小沢一郎「次の内閣」 ネクスト金融担当大臣(経済財政担当)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AC%A1%E3%81%AE%E5%86%85%E9%96%A3
峰崎直樹氏ホームページ
この後の国会でも、峰崎氏のベーシック・インカムへの言及がありますが、詳しくは次回取り上げます。
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