BIメールニュースNo.015 2009.09.26発行
1 『お金フェチからの解放がBI(ベーシック・インカム)を実現する』野末雅寛
2 関曠野さんが『ベーシックインカムを語る』 IN 町田
3 BIニュース “ベーシック・インカムの書籍”
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私たち「ベーシックインカム・実現を探る会」は、政治的に中立の立場で、「すべての個人への無条件な所得の保証」というベーシックインカムを実現につなげる提言を発信します。
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1 『お金フェチからの解放がBI(ベーシック・インカム)を実現する』
BI(ベーシック・インカム)メールニュース 編集長 野末雅寛
「よ~く考えよう、お金は大事だよ~♪」
こう子どもが歌う保険会社のCMがありました。自殺率の上昇と少子化の進展をふまえれば、今やお金は命よりも重たいと言っても過言ではないでしょう。
日本国内で安心して子どもを産めないのも、経済的な問題を理由に自殺してしまうのも、設備過剰のためにデフレでお金の価値が上がってしまい、お金を稼ぐことが大変になったからではないでしょうか。すぐにインフレになる発展途上国の出生率が高いことを思えば理解できます。
定額給付金が支給されたとき、給付金を神棚に祭り上げるおばあちゃんの姿がテレビで報じられていました。お金は勤勉に働いた人だけが得ることができる汗と涙の結晶という価値観が根深く私たちに染み付いているためでしょう。
お金が崇拝の対象になることは、まさにお金フェチ(フェティシズム=物神崇拝)と言わざるを得ません。しかし、お金をありがたがることはいっそうお金の力を強くする一方です。この価値観から解放されることが、デフレを克服する一番の近道ですし、そのときにはじめて命がお金よりも価値が高くなるわけです。 例えば、みんなで諸手を上げて子ども手当てをもらえば、為政者も人気取りのためにお金を流すことができるようになりますし、財源論など吹き飛んでしまいます。
しかし、そうならないのは他ならぬ私たちが、40兆円もの空前のデフレギャップがあろうかという厳冬に、国債が数兆円増えるだけで財政破綻とハイパーインフレという酷暑になった時代のことを心配するからです。為政者の側が給付付税額控除や子ども手当てなどでお金を配ろうとしているのに、私たちがそれを拒絶しようとする傾向すらあります。
お金フェチから解放されて、お金よりも命の方が大きな価値があるとみなしたときBIは実現します。所得税案、消費税案、公共通貨案など選択肢がかなり整ってきています。ですから、他ならぬ私たちの意志がBI実現を妨げているのです。お金は切符という役割を果たすに過ぎないと私たちが得心できたとき、BIは実現するのです。
<野末雅寛 プロフィール>
BI(ベーシック・インカム)メールニュース 編集長
http://www.mag2.com/m/0000292484.html
富山の片田舎で農家と漁師、町工場、商店街が置かれる窮状に直面して、自殺者増加を防ぐと同時に、画期的な起業・イノベーションをも促すBIの必然性を痛感しない日はない。
【2】関曠野さんが『ベーシックインカムを語る』 IN 町田
「なぜベーシックインカムは実際的で効果的な政策なのか」
◆勝楽寺 誕生殿(地下一階 誕生殿) 東京都町田市原町田3-5-12(駐車場はありません)http://shourakuji.com/sisetsu/prayspace.html
(町田駅徒歩・JR町田駅(ミーナ町田側)改札口5分・小田急町田駅13分)
◆タイムテーブル午後2時 受付
午後2時30分開演 関さん講演
~午後4時 休憩(10分)
4時10分 質疑応答
~午後5時 終演予定
◆参加費 一般500円 中学生以下無料 ◆主催 九条・まちだ※ 準備の都合上、必ず事前申し込みをお願いします。
※ 定員に達し次第、申し込みを締め切らせていただきます。
【3】BIニュース
“ベーシック・インカムの書籍 その1”
BIに興味を持ったけれども、どんな本を読んだらいいか分からないという方が最近増えてきています。そこで、数あるベーシック・インカムの書籍を、入手しやすさ・値段の順でご紹介いたします。
今回は主題となっている書籍だけ取り上げ、次回は、広い意味でBIを取り扱った書籍を取り上げます。
山森亮 (著)『ベーシック・インカム入門』 (光文社新書)
新書の割には様々な論点・論者が数多く盛り込まれて費用対効果が高いが、それだけに、入門者にはやや難しい
http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334034924
ゲッツ・W. ヴェルナー (著), 渡辺 一男 (翻訳), 小沢 修司 『ベーシック・インカム―基本所得のある社会へ』(現代書館)
対談が盛り込まれ、小沢氏の解説もついていて、入門におすすめの内容。ドラッグストアの経営者ならではの視点がユニーク。消費税案の原型もある。
http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-6963-7.htm
ゲッツ・W. ヴェルナー (著), 渡辺 一男 (翻訳) 『すべての人にベーシック・インカムを―基本的人権としての所得保障について』(現代書館)
上掲書著者のヴェルナーの第二作目で、書き下ろし消費税案をさらに深めた上で、独自の論点をいっそう明確にしている
http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-6997-2.htm
小沢 修司(著)『福祉社会と社会保障改革―ベーシック・インカム構想の新地平』(高菅出版)
日本で初めてベーシック・インカムが紹介された記念碑的な一冊。所得税案の原型。戦後福祉国家からの転換の文脈で提起された巨視的な一面もある。
http://www.arsvi.com/b2000/0210os.htm
武川 正吾 (編著)『シティズンシップとベーシック・インカムの可能性』(法律文化社) 小沢氏や宮本太郎氏など多くの論者が論文と座談を通して、経済学・法学・政治学の立場から多面的に分析している。社会科学の基礎知識がないと難しいが、主要な論点を押さえる上では有益。
トニー・フィッツパトリック (著), 武川 正吾 (訳), 菊地 英明 (訳) 『自由と保障―ベーシック・インカム論争』(勁草書房)
ベーシック・インカムの社会哲学で、哲学的な論点を押さえる事ができる。ただ、社会哲学の書籍を読みなれていないと難解。
http://www.keisoshobo.co.jp/book/b26174.html
P.V.パリース(著),後藤 玲子(訳), 齊藤 拓(訳)『ベーシック・インカムの哲学 すべての人にリアルな自由を』(勁草書房)
同じく、ベーシック・インカムの社会哲学で、上掲書よりさらに深く論が掘り下げられているがが、さらに難解。
http://www.keisoshobo.co.jp/book/b28466.html
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