BIメールニュースNo.016  2009.10.3発行 バックナンバー

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BIメールニュースNo.016  2009.10.3発行

1 『ベーシック・インカムはバラマキなのか(一)』関 曠野(第一土曜日執筆)

2 関曠野さんが『ベーシックインカムを語る』 IN 町田

3 BIニュース “ベーシック・インカムの書籍 その2”

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私たち「ベーシックインカム・実現を探る会」は、政治的に中立の立場で、「すべての個人への無条件な所得の保証」というベーシックインカムを実現につなげる提言を発信します。

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【1】『 ベーシック・インカムはバラマキなのか (一)』

関 曠野(第一土曜日執筆)

ベーシック・インカム(BI)を弱者保護の福祉と混同してはならないことは前に述べた。そしてこれと並んでよく見られるのが「BIとはたんなる現金のバラマキだ」という誤解である。そう考える人は、BIを何か不道徳で経済的にも危険な試みとみなす可能性が大きい。実際この三月に私が東京で講演した際にも会場からそうした印象に基づく質問があった。そこで、どうしたらこの「現金のバラマキ」という誤解を解くことができるのか少し考えてみたい。

この誤解は、多くの人々が経済をシステムとして理解することに慣れていないことから生じる。といってもこれは、学者でなければ理解できないような難しい事柄ではない。生産は消費のためにあることには誰も異論はないだろう。そして生産と消費がプラスマイナスゼロで均衡し、生産されたもの全てが消費されることが望ましいことにも異論はないだろう。企業や商店は売れ残りを抱えて倒産し、消費者の方は生活必需品も買えないなどという状況はあってはならない。

だがここから先で誤解が始まる。BIをバラマキとみなす人は、市場での売り買いによって生産と消費は大抵自動的に均衡すると思っているのである。Aさんは米を作りBさんは野菜を作っているが、それぞれ食事のために相手の作物が欲しい。しかし二人は知り合いではないので物々交換はできない。そこで二人は各々市場に作物を出荷して相場で売り、その収入で米や野菜を手に入れる。こうすれば生産と消費は自ずと均衡し、そのうえAさんとBさんの労働はそのまま所得になる。この古典経済学の経済的予定調和のモデルに無意識に影響されている人には、BIは余計で無用なバラマキに見えるだろう。しかし近代的企業経済にはこうした予定調和などありえず、生産と消費のひどい不均衡こそがその特徴なのである。BIは福祉でもバラマキでもなく、この不均衡を是正するための措置である。次回は、この不均衡が生じる原因について改めて説明したい。

<関 曠野 氏 プロフィール>(第一土曜日執筆)

1944年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業後、共同通信社記者を経て1980年より文筆業に専念。専門は思想史、教育論。著書に『プラトンと資本主義』『ハムレットの方へ』(共に北斗出版)、『民族とは何か』(講談社現代新書)など。

2009年3月8日の当会主催の勉強会で「生きるための経済」を講演。

講演録

http://bijp.net/transcript/article/27

質疑応答

http://bijp.net/transcript/article/79

「生きるための経済」関さん講演の補遺――ゲゼルの減価貨幣について

http://bijp.net/transcript/article/94

【2】関曠野さんが『ベーシックインカムを語る』 IN 町田

「なぜベーシックインカムは実際的で効果的な政策なのか」

◆勝楽寺 誕生殿 (地下一階 誕生殿)

東京都町田市原町田3-5-12(駐車場はありません)

http://shourakuji.com/sisetsu/prayspace.html

(町田駅徒歩・JR町田駅(ミーナ町田側)改札口5分

  • 小田急町田駅13分)

◆タイムテーブル

午後2時        受付

午後2時30分開演 関さん講演

午後4時        休憩(10分)

4時10分     質疑応答

午後5時        終演予定

◆参加費 一般500円 中学生以下無料 ◆主催  九条・まちだ

※ 準備の都合上、必ず事前申し込みをお願いします。

※ 定員に達し次第、申し込みを締め切らせていただきます。

********申し込みフォーマット***********

◆申し込みアドレスbutterfly@k2.dion.ne.jp

◇件名 『11月29日関さん講演会申し込み』

お名前(                  )

ご住所(                  )

電話&FAX(               )

ご職業など(               )

☆どこでお知りになりましたか?

(                     )

☆関さんに、ご質問などございましたらお書き下さい。

講演会当日にお話の中で取り上げる事ができるかどうかは

わかりませんが、必ず、関さんにお伝えします。

(                            )

※ 準備の都合上、必ず事前申し込みをお願いします。

※ 定員に達し次第、申し込みを締め切らせていただきます。

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【3】BIニュース

“ベーシック・インカムの書籍 その2”

前回はBIに関する書籍を紹介しましたが、今回はBIに関する書籍や論文を紹介す

るサイトをご紹介します。

arsvi.com:GCOE 生存学創成拠点(立命館大学 生存学研究センター)

http://www.arsvi.com/d/bi.htm

書籍だけでなく、学術論文も数多く紹介されていて、インターネット上で閲覧することができるものも数多くあります。人文系・社会科学系の学術情報はこのページにかなり整理されて掲載されており、ベーシック・インカムを学術的に理解したいという方は、このページが良き案内役になってくれるでしょう。

ただ、小沢修司さんの論文以外は、財源論に踏み込んだ考察は掲載されておらず、その向きを期待される方は、まずは小沢さんの論文と、古山さんの講演録をご参照ください。

古山さん講演録

http://bijp.net/transcript/article/91

http://bijp.net/transcript/article/98

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