BIメールニュースNo.057  2010.07.24発行 バックナンバー

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BIメールニュースNo.057  2010.7.24発行

【1】不換紙幣がなぜ信用されるのか(3)

ベーシックインカム・実現を探る会 主任研究員  古山 明男

【2】BIニュース

ベーシック・インカムに関する海外文章の翻訳をアップしているブログのご紹介

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私たち「ベーシックインカム・実現を探る会」は、政治的に中立の立場で、「すべての個人への無条件な所得の保証」というベーシックインカムを実現につなげる提言を発信します。

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【1】不換紙幣がなぜ信用されるのか(3)

ベーシックインカム・実現を探る会 主任研究員  古山 明男

現代のお金は、返済の約束そのものを流通させているようなものであり、銀行貸出によっていくらでも作り出すことができる。しかし、返済のアテのない貸出が行われれば、結局は不良債権となって消滅する。

現実には、いいかげんな貸出がたくさん行われた。その消滅がはじまると、大連鎖反応が起こり、大銀行すら倒産して恐慌になる。そこで、債務保証をつけたり、もっと貸出をしたりして、危機を先延ばしする。それで、日本では90年代以来、アメリカではリーマン・ショック以来、超低金利政策によって、お金がどんどん生まれるようにしている。

しかし、市中にお金はいくらでもあるのに、生活者に生活費が回っていないという現象が起こっている。生活に困る層が増えているのに、余ったお金は土地、株式などのバブルを起こしている。企業への資金供給を増やしても、経済は活性化しない。

だったら、生活者に直接お金を渡してしまったほうが、経済が活性化するではないか。それが、経済面から見たときのベーシック・インカムの論理である。

しかし、財源が問題である。税金でベーシック・インカムの財源をまかなうことは可能であるが、所得税でも消費税でも40~50%程度の税率が必要になる。いかなる政権もそんな増税を言い出せば保たないであろう。

そこで、次のような発想が出てくるのである。

生産者側に対してお金を作ってもいいなら、健全な経済活動に使われるかぎり、消費者側にもお金を作ってしまっていいではないか。お金を生産側から入れても、消費側から入れても、ちゃんと経済活動と結びついて循環するならば同じことである。

しかし、毎年100兆円を超すお金が出されて市中に滞留するなら、じきにバブルかインフレを起こす。消滅するメカニズムが必要である。現在のお金も、返済または不良債権の発生という形で、ちゃんと消滅メカニズムがついているのである。

そこで、このベーシック・インカムのお金は、人から人へと渡る中で、時々に保有している人が返済することにする。時間が経つごとに、そして使うごとに少しずつ返済する。電子マネーを使えば、技術的にさほど難しいことではない。自動的な返済であるから、結果的に減価マネーになるのである。現在の日銀券と共存させる。

減価マネーには、多くの利点がある。とくに、ベーシック・インカムと組み合わせて生活の不安をなくせば、人間の拝金主義を根底から変えるであろう。

このような案を、「電子式減価マネー」として発表した。

http://bijp.net/transcript/article/98

問題点をさらに修正し、わかりやすくした案を用意しているところである。通貨に関する根本的な議論を期待したい。

<古山明男 氏 プロフィール>

古山教育研究所を主宰

http://www.asahi-net.or.jp/~ru2a-frym/

ブログ「変えよう!日本の学校システム」は多くの支持を受けています。

http://educa.cocolog-nifty.com/blog/

2009年7月12日の当会主催の勉強会で「ベーシック・インカムのある社会」を講演。

講演録

http://bijp.net/transcript/article/91

http://bijp.net/transcript/article/98

【2】BIニュース

ベーシック・インカムに関して記事をアップしているブログのご紹介

国内でもベーシックインカムに関する議論が蓄積されてきたことを実感できるの

が下記のブログです。充実した記事を何本も掲載しています。

巷間哲学者の部屋

http://philosopher.cocolog-nifty.com/blog/

下記のインデックス中の「

カムに関する記事が掲載されています。

http://philosopher.cocolog-nifty.com/index/

特に、最近上梓された「政策としてのベーシックインカム論(1)~(5)」は

中央公論6月号の原田泰論文や、現代思想のベーシック・インカム特集を受けて、

政策としてベーシック・インカムを実現するためにはどうすればいいのか、とても

粘り強く考察されています。

http://philosopher.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-7fa3.html

http://philosopher.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-45c3.html

http://philosopher.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-1c9e.html

http://philosopher.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-cb9c.html

http://philosopher.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-1e01.html

ぜひご参考になさってください。

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