BIメールニュースNo.077 2010.12.11発行
【1】ベーシックインカムこそが、基本的人権の実現だ(2)
BI(ベーシック・インカム)メールニュース 編集長 野末 雅寛
【2】BIニュース
テレビ朝日『池上彰の学べるニュース』でベーシックインカムが取り上げられます
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私たち「ベーシックインカム・実現を探る会」は、政治的に中立の立場で、
「すべての個人への無条件な所得の保証」というベーシックインカムを
実現につなげる提言を発信します。
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【1】ベーシックインカムこそが、基本的人権の実現だ(2)
BI(ベーシック・インカム)メールニュース 編集長 野末 雅寛
前回のコラムでは、基本的人権に立脚する政治的立場に立つことが、ベーシックインカム(以下BI)を実施することに直結すると述べた。ラディカルすぎる。そう思う人も多いだろう。
なぜラディカルなBIを導入するのか、穏当に福祉や雇用を充実させれば生存権を保証することができるではないかいう批判がある。しかし私は、福祉や雇用では基本的人権を十分に保証することができず、BIこそが基本的人権の具現化だと考える。
まず福祉について検証する。例えば、生活保護は、確かに当人の実情に応じた給付を柔軟に適用できる利点はあるし、これが最後のセーフティネットになっている。しかし、全く平等ではなく、厳しい条件付きで、しかも現場職員の恣意的な判断で適用が決定されるという大きな欠点がある。この点で、基本的人権の中枢を占める平等権に大いに抵触しているし、職員の厳しい取調べが受給者の尊厳を損ねており、良心の自由をも犯している。
次に、福祉や教育の現物給付だが、これだけでは自由権は保証されない。現金の利点は、選択肢が広がるということである。現物給付では用途が限られてしまい、生存権は保証されるが、国が認可したミニマムなライフスタイル以上には進むことができない。
最後に雇用だが、自由権がないに等しい。休日は労務から解放されるが、業務外活動がバレないように副業に勤しむ人や、社会的な活動にコミットする人は圧倒的多数である。会社の理解がないと、言論の自由や職業選択の自由など、自由権を享受することができない。
また、労働組合が全ての企業になく、ある企業のほうが少数であろう。つまり、生存権は、景気変動や雇用者の胸先三寸で左右される人のほうが多く、すべての国民に平等に保証されているわけではない。失業保険ですら、非正規労働者には適用されないケースが多々あり、雇用による生存権の保証もまた風前の灯火である。
これら従来型の福祉や雇用ではクリア出来ていなかった陥穽を、BIが埋めることができるのである。なぜか。受給するのに屈辱を受けないし、ライフスタイルの可能性が広がるし、労働者に自由を与えるし、何よりも全ての人に平等に所得が保証されているからだ。これこそが、基本的人権の精神を最も正確に反映した社会制度ではないだろうか。
ここまで概論でさらっと触れた。次回以降は、自由権・社会権・平等権などの各論を深く掘り下げてみたい。
<野末雅寛 プロフィール>
BI(ベーシック・インカム)メールニュース 編集長
http://www.mag2.com/m/0000292484.html
富山の片田舎で生活する環境で世界恐慌に直面して、自殺者増加を防ぐと同時に、画期的な起業・イノベーションをも促すBIの必然性を痛感しない日はない。
【2】BIニュース
テレビ朝日『池上彰の学べるニュース』でベーシックインカムが取り上げられます
ベーシックインカムがついに地上波のゴールデンタイムで、しかも今をときめく池上彰氏に紹介されます。
http://www.tv-asahi.co.jp/manaberu/
12月15日(水)20時よりテレビ朝日系で放映されますが、その内の1コーナーにすぎませんので、どれだけ詳しく取り上げてもらえるのかも分かりませんし、ひょっとすると否定的に扱われるかもしれません。
そして、テレビ朝日のホームページに掲げられていた下記の案内も、私たちの基本的人権を実現するのではなく、行政コスト削減ありきのようで気がかりです。
最近、「ベーシックインカム」という言葉を聞いたことはありませんか?これはすべての人に決まった金額を定期的に払います!という制度。今、年金や雇用保険など、制度が複雑となりすぎて、管理するために莫大な金額がかかっています。それならば、全国民、一律にお金を払うことにすれば簡単でコストもかからないはず・・・!という発想なのですが・・・。果たしてこんな政策が実現する可能性はあるのか、解説します。
しかし、これほど露出度と視聴率の高い舞台でベーシックインカムが取り上げられるのは、認知度が高まる良い機会であることは間違いありませんので、ぜひ多くの方にベーシックインカムを知ってもらいたいと思います。
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発行 : ベーシックインカム・実現を探る会、編集長:野末雅寛
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