(合)島之内芸能の試み

関曠野さんも理事で参加する、新しい 島之内芸能(合同会社)の試みをご紹介します。この会社では、大阪から明治維新以来の日本の歴史を問い直し、なおかつ、大阪の芸能の伝統を生かしつつ、ベーシックインカムや社会信用論の運動にもとりくもうということです。その趣旨文を以下に掲載いたします。地方からのベーシックインカム・通貨改革の新しい試みの一環としてお読みいただければ幸甚です(白崎)。

計画試案

島之内芸能(合同会社)    趣旨

(合)島之内芸能は、日本の大阪から資本主義を乗り越える地域を作りだす活動を目的として設立する。

大坂はその住民が世界で最初にかつ独自に永久平和経済都市建設に成功した地域であり、 欧米より民族的には適応していたにもかかわらず、明治維新の薩長政府は欧米の劣った面に同化して覇権主義に日本を組みこんだが、当社はその誤りを原点に帰り復旧して、大坂社会を再興し国際性を世界に示す活動を行う。 この活動を連合主義と名付ける。この主義は日本的「道」と「仁愛」を精神的基本とする。

(合)島之内芸能は、地域住民の取り組みを、可能な限り人に喜ばれる芸能として運営してゆく会社である。たとえば医師やヘルパーなども、そういう芸能なのである。

日本経営企業の出身者が大半を占める人々の間では、経営以外の諸活動も経営を摸することがなじまれやすいのに、従来の社会・文化活動はこの点を見落としてきた。

当社は、元企業や官庁の組織人が定年後も容易に溶け込める仕組みで活動する。

また、日本的経営は、江戸時代の大坂商家の経営を伝えており、従来の学界はそれを否定的にとらえて来たが、当社はよいものは積極的に活かす方式にする。

武士道もそうであるが、よい点の誤解があった。たとえば、家来には主君を諌める義務権限があったが、今日の企業では内部告発などという不信感が圧倒している。

当社は、あらゆる対立しない社会思想実践方式を連合主義と考え、従来の正義が悪を懲らす思想を乗り越える。

そのために、世界で唯一大坂だけが生んだ対立しない方式である芸能産業を、地域運動として再生する。(江戸北町奉行の遠山金四郎が水野忠邦の天保の改革に際し、芸能弾圧に経済改革にならないと反対したのは有名で、ソフト産業が人間の質を高めて経済の質を高めることを彼は直感していたのである。芸能を無駄・ぜいたくと取り違える誤りが現代でもある)

大坂町人の質は全体の連合として、芸能の稽古という形で、高められていた。この芸能の稽古には、学問も武芸もすべてふくまれ、現代のインテリと大衆、芸術家と勤労者の区分がなかったことで世界的であった。これを復活するのが連合主義である。

当時は身分制があったため、そこが非常に悪いように思われているが、現代の人権差別やあらゆる差別も身分制の一種にほかならないし、身分制は尊敬度の向上によってこそ徐々になくなって行くものである。人間の尊敬と愚行は共に永久になくならず、どちらがそうであるかは時代の流れが決めることである。問題は両者が敵対するのではなく連合することである。階級の対立を乗り越えるのは民族の作法である。

日本の場合、芸能の根拠は平安時代に確立した「歌」であった。歌が尊敬され、歌の心の分らない者は愚かとされた。それが日本の民族思想である。

大坂の商人が人に喜ばれる活動を理想としていたことは、世界の強欲な経営史にない事実であり、鴻池や住友の家訓や文書は、モルガンやロックフェラ―と全然異なるモラル(当社は作法と呼ぶ)を証拠づける。住友の番頭の主人にあてた直筆は誠意にあふれ、現代の経営者の言い分よりはるかに心を打つ。彼らは幕府や大名に金を貸すのを喜んではいなく、逆に幕府からも資本を借りて産業を起こし、また大名の藩政改革をリードしていた。だから暴力的倒幕はありえなかった。だいいち、幕府は失政はあっても、暴力的弾圧はしていなかったし、一揆も真の暴力でなく、作法であった。階級間の憎しみの度合いが、欧米とは段違いに弱く、文楽を見れば分るのである。文楽は、各階級を誉め殺して泣き笑いさせるパロディ芸能である。

~~~~~~~~~ 以下、ご参考まで、イベント案内 ~~~~~~

島之内芸能文化協会 「月例講座」ご案内場所中央区島之内2-12-19「道仁連合会館」6211-7310。島之内図書館の裏。島之内芸能文化協会 山下 ℡fax06-6607-1693 携帯090-1587-1970

1000円(学生500円)です。 町内無料娯楽大坂一派4月17日(木曜)午後3時~4時半「お葬式の改革」堀蓮慈(真宗大谷派)

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