古山明男さん「ベーシックインカムのある暮らし」連続講座

    2回連続講座「ベーシックインカムのある暮らし」

    ベーシックインカムについて、お話しをします。「すべての個人に、無条件で、最低生活費を支給する」のが”ベーシックインカム”

    です。そんなことって実現可能なの?私たちの暮らしはどうなるの?
    非現実的な妄想?・・・いえいえ、これは実現可能なことなんです。...これからの暮らし方を一緒に考えてみませんか?

     

    <第1回> 6月16日(木)10時~
    “働かざる者食うべからずか”

     

    <第2回> 6月30日(木)10時~
    “お金のしくみと「生活本位制マネー」”

     

    場所 「カフェどんぐりの木」千葉市稲毛区
    千葉市美浜区高洲1-16-46
    ・京葉線稲毛海岸駅から 徒歩8分

    <参加費> 800円(お茶つき)
    <会場・申し込み>cafeどんぐりの木
    電話・FAX 043-301-2439
    メール donguri35506@yahoo.co.jp

「震災復興へのベーシックインカム・通貨改革支援について」

ベーシックインカム・実現を探る会代表 白崎一裕

今回の熊本・大分などの震災で被災されたすべての皆様に心からお見舞い申し上げます。また、残念ながら亡くなられた方々へ心よりお悔やみ申し上げます。様々な方法・関わりで多様な支援が行われていると思います。私も3・11東日本大震災時には栃木県北で被災いたしましたので、本当に、現地は、いま大変なことであろうと推察いたします。その3・11直後に、ベーシックンカム・実現を探る会も主催・参加して「震災復興所得保証を要求する院内集会」を行いました。そのときに、出させていただきました提言(一部訂正しました)を以下に再掲いたします。この提言は、こんどの震災でも有効であると思いますのでみなさまにご参考にしていただければ幸甚です。

~~震災復興基礎所得保障等を政府に要求する声明~~~~~

被災者、そしてすべての人々へベーシック・インカムを!!~...

「3・11」。この日は、日本の歴史の大きな裂け目として記憶されるであろう。復興へのプランが様々な立場から提言されているが、政府に対して、生活福祉資金貸付(緊急小口資金)をはじめとする被災者生活再建支援法など、現行関係法規の積極的活用と柔軟な運用、医療・介護・雇用・住宅・教育・子育てに関する支援の方策の充実が求められている(注1)。

にもかかわらず、それらの申請は複雑であり、すでに制度からこぼれ落ちる人々が出ている。また行政機構も含めたすべての生活基盤が奪われ、雇用が暮らしを支えるようになるまでには多大な時間と試行錯誤が必要である。そのような状況の下、いま、私たちは要求する!まずは、緊急に個人単位・無条件の所得保障として被災地域のすべての人々に月額15万円の支給を。期間を5年とし、支給対象地域を岩手・宮城・福島三県および近隣県の被災基礎自治体とする(注2)。

支給の条件を「個人単位・無条件」とすることで、一人ひとりの生活の多様性を損なわない柔軟な所得保障が実現され、将来が見えない被災者の物質的・精神的な支えとなるであろう。地域の消費にまわることで地域自給を促す迅速な経済回復にも有効である。地域・地方の経済再生は、個人への所得保障から始まるといっていい。さらに、この所得保障をベースに、医療・介護・雇用・住宅・教育・子育てなどの支援(現物給付など)を総合的に組み立てることもまた、すべて政府の責任においてなされるべきである。所得保障によって、義援金を地域のインフラ整備などにも回すことが可能になる。財源を懸念する声もあるかもしれない。復興費用試算は20~30兆円、これに加えて原発対策関連費用が10兆 円を超えるといわれている。阪神・淡路のときの復興費用は、当初、10兆円といわれたが、結果はその1.5倍以上の16兆円だった。この莫大な費用の捻出は増税、緊縮財政や通常の国債発行では賄いきれないであろう。ここは、震災国債発行による日銀の直接引き受けによる方法が最も望ましい。日銀からの資金は直接国庫に入金され、国の借金を増やすことなく、結果として利子もつかない。被災したすべての人々、そしてこの国に暮らすすべての人々が希望をもてる社会の実現に向けて、わたしたちは、基礎所得保障を基盤とした総合的な復興政策の実施を要求する。

 

以上注1:大阪弁護士会「東日本大震災における被災者の生活再建に係る関係法規の運用改善及び法改正に関する緊急意見書」 (4月7日付)参照。注2:ちなみに岩手・宮城・福島三県を「震災特区」として所得保障を実行した場合、総人口567万人×月額15万円で年間10兆2,114億円。震災復興費用には、この所得保障分を含めた予算組が必要となる。近隣基礎自治体の中では、茨城県の各自治体も広域に含まれるが、この概算では省略した。

他団体ベーシックインカム・通貨改革イベント

  • 3月から4月にかけての他団体のイベントご紹介です。こちらで把握しているもので、期日がギリギリのものもありますが、ご容赦ください。

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  • この度、ベーシックインカム勉強会関西主催の講演会を開催することになりましたので、お知らせさせていただきます。

定員に限りがございますので、ご参加の方は申し込みをお願いします。

皆様のご参加をお待ちしております。

以下ベーシックインカム勉強会関西HPの「次回勉強会について」に詳細を掲載しております。

https://sites.google.com/site/basicincomekansai/notice/cihuimianqianghuinitsuite

開催場所:Studio Citizen(スタジオ・シチズン) http://citizen-p.com/

阪急電鉄千里線 「関大前駅」北改札より徒歩5分

大阪府吹田市千里山東1-10-4 サンシャイン関大前3F

TEL.06-4860-6756/090-9875-7157(代表 西岡正士)

開催日時:2016年3月26日(土) 15時00分頃(受付14:30~)から17時半頃まで。参加費500円(ドリンク注文の方は別途)

二次会・懇親会。別途参加費2000円(フリードリンク・フード付き)。17時半頃から19時半まで。

※参加人数に限りがありますので、申込者優先です。

(BI関西ゼロゼロ)

(既に参加表明されている方は不要です)。

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  • ベーシックインカム勉強会関西・オープンミーティングin京都

    2016年3月21日(月)12時から17時まで(お好きな時間に来て、お好きな時間まで)

    会場:京都市岡崎いきいき市民活動センター会議室2

(センターは東山二条から岡崎へ向かって歩くと、北東角に細見美術館があります。その手前2軒の建物です。会議室2は、その建物とは別で、突き当りの建物の2階です) http://okazaki-iki-iki.org/access.htm

ベーシックインカムに関心をお持ちの方同士の交流を目的とした茶話会です。

講師などはお迎えせず、集まった者同士でお茶でも飲みながら、ベーシックインカムについて語り合います。ベーシックインカムに興味を持ったきっかけ、ベーシックインカムに感じる希望や不安、実現に向けてのプランなど、ざっくばらんにお話し出来たらと思います。

お飲み物、菓子などは各自で好きなものをお持ちより下さい。

会場費は投げ銭(任意)制にします。

申し込みは不要です。直接会場へお越し下さい。

※3月26日(土)ベーシックインカム講演会につきましては、現在まだ残席がございますので、ご参加の方は申し込みをお願いします。

以下ベーシックインカム勉強会関西HPの「次回勉強会について」に詳細を掲載しております。

https://sites.google.com/site/basicincomekansai/notice/cihuimianqianghuinitsuite

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関曠野氏 講演

グローバリゼーションからローカリゼーションへ

――「農」の時代の兆しのなかで

2/4TPP協定の署名が行なわれたが、米国大統領選では候補者たちがTPP反対を競い合っている。グローバリゼーションの徹底をめざすTPPであるが、そもそもグローバリゼーションとは何なのか。それは大多数の人々にとってどんな意味を持つのか。世界的な通貨貿易秩序が崩壊の様相を呈するなか、資本主義、貿易、国家、通貨、経済成長などの再定義をつうじて時代の本質を明らかにし、草の根の地域社会が甦るローカリゼーションへの途をさぐる。

日時=2016年4月23日(土) 13:30~18:00(講演開始は14:00)

場所=NTCコンサルタンツ 中野区本町1-32-2 ハーモニータワー20階

参加申し込み

  • 参加費:500円(ただし資料代)

  • 参加申し込み:参加希望者は事前に へご連絡下さい。

※関曠野氏の近著

『グローバリズムの終焉: 経済学的文明から地理学的文明へ』

(農文協、2014年)

http://www.amazon.co.jp/dp/4540092162

※研究会終了後には講演者(関曠野氏)を交えての懇親会を予定しています。懇親会の参加費は4000円です。

※問い合わせ先

NTCコンサルタンツ(株)開発事業部内 山崎農業研究所 事務局 益永

TEL:03-5333-2051 e-Mail:

スイス・ベーシックインカム国民投票 6月5日(2016年)に決定

スイスの連邦憲法の改正を伴う、ベーシックインカム国民投票が、今年の6月5日に決定しました。

以下、関連の記事です。

https://en.wikipedia.org/wiki/Swiss_referendums,_2016

以下も関連記事ですが、BI導入後も働くことはやめる人はごく少数・2%、生きることの不安から解放されるということ等の意味があるということで、積極的評価ですね。

http://www.basicincome.org/news/2016/01/switzerland-only-2-of-people-would-stop-working-if-they-had-a-basic-income/

スイスのダイレクトデモクラシーとベーシックインカム

スイスのベーシックインカム(BI)運動をはじめた、エノ・シュミット氏(アーティスト)のインタビ ­ューです。イニシアティブ(国民投票)の意義と深く結びついているBI運動の意味について語っています。BIの憲法条文案は、短くして人間の尊厳には、所得が必要だ~~というぐらいのものであとは、みんなで、議論するというスタンスだということです。興味深いお話ですので、ぜひ、ご参考にしてください。

https://www.youtube.com/watch?v=bBbStPsvm1g

2016年もどうぞよろしくお願いいたします

  • 新年明けましておめでとうございます ベーシックインカム・実現を探る会代表 白崎一裕

 

2015年は、ベーシックインカムや通貨改革でも様々な動きがあった年でした。スイスのベーシックインカムや通貨改革の国民投票署名の集まり。アイスランドの政府通貨プランの発表。オランダ・ユトレヒト市をはじめとする地方自治体でのベーシックインカム実験計画。フィンランドでの政府レベルでのベーシックインカム実験計画の報道(実施される!という先走り誤報騒ぎも含めて)。等々です。また、ブラジル・リオデジャネイロ州の人口15万ほどの都市マリカの地域通貨支給の件も含めて、これらの動きを簡潔に、同志社大の山森さんがコンパクトにまとめているので、以下のサイトをご覧ください。

http://blogos.com/article/151914/

また、スイスのベーシックインカムイニシアチブの英文HPも以下にあげておきます。

http://bien.ch/en

2016年は、上記の動きが継続して行われるでしょう。特にスイスの国民投票の行方は気になるところです。

ヨーロッパでのベーシックインカムや通貨改革の議論の政策的取り扱いは、量的緩和政策の完全な行き詰まりなどにあらわれている、経済・国家運営の停滞感を打破したいとの思惑が背景にあると思われます。その結果、特にベーシックインカムの場合、福祉国家のリストラ策に利用されている節があります。これでは、銀行マネーなどを温存したままでの現行租税国家の延命プランにすぎないと考えます。そういう意味では、個人的に、もう「ベーシックインカム」という用語を使うのをやめたほうがいいのでは!?と思うこともありました。

今年も、このことを考えながら引き続きベーシックインカムと通貨改革を取り巻く状況をみていきたいと思います。

(2016年1月1日)

フィンランドのベーシックインカム報道について

フィンランドのベーシックインカム報道について

ベーシックインカム・実現を探る会代表 白崎一裕

ここ2~3日の間に、ネット上で「フィンランドでベーシックカム導入!」という記事が英文や日本語などで紹介され話題になりましたが、後に「誤報」と伝わりました。

最初に紹介された欧州のサイトでも最終決定は来年後半(11月?)というように書かれていて「実施された」とは書いていないのですが、以下のBIEN(ベーシックインカム世界ネットワーク)のサイトが、今回の「誤報」の事情をよく伝えています。

http://www.basicincome.org/news/2015/12/finland-basic-income-experiment-what-we-know/

以前から、フィンランド政府(4月に誕生した新政権)が、教育や福祉制度の見直しの一環としてベーシックインカム制度について検討をしてきたのは事実のようです。

たとえば、非正規雇用の増大などによる労働市場の変化、公的支出の増大、福祉制度の煩雑さや官僚化等々、日本も含めて世界的規模で問題になっている課題に対してなんとかしようという問題意識です。

そのために、KELAという政府機関(社会保険庁関連)が中心になり、今年10月末に予備的調査をはじめた~~というのが実態のようです。その調査では、四つの実現可能性のある選択肢があり、ひとつは、完全なベーシックインカムで、福祉給付などを整理統合してひとりあたり、月に800ユーロというもので、この数字が報道では一人歩きしたようです。あとは、部分的なベーシックインカム(月550ユーロ)や負の所得税などもプランにあげられています。今回は、これらの改革案の選択肢において、それぞれの効率性や労働意欲に与える影響などを分析するための「実験」というわけです。

今後のスケジュールとしては、他国のベーシックインカムの試験的導入などの調査などもまとめて2016年春に政府に提出して、そこから制度設計を2016年後半にかけて試行し、その制度実験を2017年にスタートする予定らしいです。

私個人としては、意欲的にベーシックインカムの制度実験を政府レベルで行うことについては評価しますが、このフィンランドの場合も、財政的にも不透明ですし、また、「福祉制度リストラ策」のニュアンスが強いと思います。これでは、制度化されても十分機能しないと考えます。やはり、「実現を探る会」のサイトでいままで、ご紹介してきたような「社会信用論」の発想に立ったベーシックインカムの可能性について議論をすべきだと考えます。(2015年12月10日記)

アイスランドはいかにして銀行マフィアを打ち負かしたのか

ベーシックインカム・実現を探る会 代表の白崎一裕です。

ある人に教えていただき、以下の、ブログをみました。これは、アイスランド大統領の金融危機後のカナダCBC放送のインタビュービデオです。ブログ主が翻訳してくれていますが、とても、興味深いものです。

 

ご参考までに以下にURLをはりつけます。

 

アイスランドはいかにして銀行マフィアを打ち負かしたのか

How Iceland defeated the Anglo-American Bankster Mafia

 

http://bougainvillea330.blog.fc2.com/blog-date-201507.html

 

また、ミゲル・マルケスさんというポルトガル人の映像作家がドキュメンタリー映画「アイスランド無血革命:鍋とフライパン革命」を作成され、その翻訳字幕もこのブログ主の方がつけられているようです。この内容も、アイスランドの政治と通貨改革などを考える際に貴重なものなので、以下にはりつけます。

 

https://www.youtube.com/watch?v=BZxR1VbTVkg

 

 

ブログ主の方の感想などもはいり、分割翻訳されていてわかりにくいかもしれませんが、スクロールダウンすると内容がわかります。税金で、銀行を救済することの馬鹿馬鹿しさや、小国の民主主義の意味などが語られますし、イギリスなどの金融マフィア諸国のひどさについても語られます。ただ、これは、2011年とすこし前のインタビューのようです。

アイスランドの政府通貨プラン、注目記事です!

2008年金融危機後の政治経済改革が注目されてきたアイスランドで、ついに政府通貨政策が提案されました。与党の政策プランなので実現する可能性が高いと思われます。国民投票に通貨改革案がかけられているスイスよりも早く実行されるかもしれません。以下、イギリスのテレグラフ誌に掲載された記事をサインイン前の部分のみ翻訳して掲載いたします。ご参考にしてください。

元記事

Iceland looks at ending boom and bust with radical money plan- Telegraph

http://bit.ly/1aBYOgh

テレグラフ誌 2015年3月31日

アイスランドは画期的な通貨改革プランで超不安定な経済を終わりにしようと考えている

アイスランド政府は民間銀行の信用創造のはたらきを停止して中央銀行にその機能を取り戻す提案をおこなった。

(以下本文)

アイスランド政府は、民間市中銀行におけるお金の信用創造のはたらきを停止し、中央銀行の下でのみ信用創造を行うという画期的な通貨政策を提案している。

現代金融政策の歴史において転換点となるであろう上記の提案は、中道与党「Progress Party」所属議員の「Frosti Sigurjonsson」氏によって書かれた「アイスランドのためのより良き通貨政策」と題されているレポートの中にある。「レポートの成果は、来るべき通貨政策と信用創造に関しての議論に重要な貢献をするだろう」とSigmundur David Gunnlaugsson アイスランド首相は言っている。

首相によって委託されたそのレポートは、2008年を最後に多くの金融危機を起こしてきた通貨制度に終止符をうつことを目的としている。

四人の中央銀行総裁が行った調査研究によれば、アイスランドは、1875年以来20回以上の異なるタイプの金融危機を経験してきた、そして、それは平均して15年ごとに起きる6回の深刻で複合的な金融危機を伴ってきた。

Sigurjonsson 氏は、過去におきた金融危機は過度な経済の回転により通貨が膨張して引き起こされた、と述べている。

また、彼は、中央銀行は、高価で無駄の多い国家介入そして銀行崩壊の危険な兆候、および誇張されたリスクを負う憶測に拍車をかけるインフレを放置した信用膨張を封じ込めることができなかった、と主張している。

他国の近代市場経済と同様にアイスランドにおいては、中央銀行は紙幣とコインのコントロールをおこなうが、マネー全体の信用をコントロールするわけではない。そして、マネーの大部分は信用創造において市中(民間)銀行貸し出しとして瞬時につくられる。

中央銀行は、通貨政策手段として、マネーサプライに影響を与えられるのみである。これに対して、「政府通貨政策」とよばれる下では、国家の中央銀行はマネーの唯一の創造者になる。

Sigurjonsson氏は、次のように提案する。

「重要なことは、信用創造の権力は、新しくつくられたマネーがどのように使われるかということを決める権力とは区別したままにしておかなければならないということである。」そして「国家予算審議と同様に、議会は、新しい政府通貨の割り当てについて政府提案を議論することとなるだろう。」

こうして民間銀行は、会計計算の運営および借り手と貸し手の間の仲介者としての機能をはたすことになる。実業家でエコノミストでもあるSigurjonsson氏は、2014年5月に立ち上げられた、アイスランド家庭の債務救済プログラムの立役者の一人でもあり、2008年金融危機以前に、インフレに連動しローン契約をしたことによって家計が逼迫している多くのアイスランド人の救済を目的にもしていた。

北欧の小国アイスランドは3大銀行の崩壊の要因となったアメリカのリーマンブラザーズ投資銀行の破綻によって手ひどい打撃を受けた。当時、アイスランドは、この25年間において、疲弊した経済を救済するためにIMFに救済の申し立てをしたヨーロッパにおいて最初の国となった。

そのアイスランドのGDPは、経済がふたたび再興する以前は、2009年の5.1%から2010年の3.1%まで下がることとなった。(以上、文責、白崎)

社会信用論入門サイト(再掲)ルイ・エヴァン関連など

以前にも、当会のHPにアップされた、社会信用論・ダグラス入門関係のサイトですが、検索しづらくなっていることもあり、新たに再度、新情報も加えて以下にご紹介いたします。以下はカナダでダグラスの思想を広めたカトリックの宗教者ルイ.エヴァンの主著「この豊かさの時代にIN THIS AGE OF PLENTY」のサイトです。カトリックの色彩が強いですが、社会信用論自体についてはダグラスよりはるかに噛み砕いて解かり易く説明しています。

http://www.michaeljournal.org/plenty.htm

上記のサイトの日本語訳を途中までされた方のサイトです。以下です。

http://www.nn.em-net.ne.jp/~komoda/index4.html

また、他のルイ・エヴァンの文章の翻訳は、以下のサイトで読むことができます。

http://rothschild.ehoh.net/material/41.html

(まだ、未訳のものは、順次、「実現を探る会」でも翻訳作業をすすめたいと思います。)

2015年もよろしくお願い申し上げます。

みなさま、2014年は、本当にお世話になりました。

 

ベーシックインカム・実現を探る会代表 白崎一裕よりご挨拶申し上げます。

 

今年は、「実現を探る会」メンバーは、執筆、地域での講演活動など個別の活動が多かったように思います。

2015年は、「ベーシックインカムで日本を変えよう!動画配信シリーズ」の企画や、政治・経済状況をみすえつつ、地方で、関曠野さんの講演会も企画したいものです。また、野末編集長とも相談しながらBIメールマガジンの再スタートも考えます。スイスでのベーシックインカムや通貨改革の国民投票の動きは、ある種の予感を感じさせるものでした。来る新年も「ベーシックインカム・実現を探る会」をどうぞよろしくお願い申し上げます。

みなさま、どうぞ、よいお年をお迎えください。

スコットランドの独立問題について   関 曠野

  独立の是非を問うスコットランドの住民投票は歴史や政治の視角からもいろいろ興味深い問題を提起していますが、「探る会」のニュースでは経済の側面に話をかぎることにします。9月18日の住民投票はかなりの差で独立にはノーの結果になりました。だがこれはもちろん連合王国の現状を是認してのノーではありません。今の英国は、ロンドンのシティ(金融街)、ロンドンに移住した世界各国のスーパーリッチ、ロンドンの英国議会の政界貴族には天国、庶民には地獄のような国です。この9月から売春とドラッグの売り上げをGDP統計にカウントしているような国です。EUでもっとも貧富の差が大きいこの国で、スコットランドの庶民は困窮しています。ブルーカラーの街グラスゴーでは乳幼児死亡率がきわめて高いため、男性の平均寿命が54歳という有様です。これはおそらく母親の栄養不足が原因でしょう。


  しかし実のところ、投票の結果はたいした問題ではありません。むしろこういう国家の存在理由を問う投票が実施されたこと自体が重要な意味をもっています。日本でも欧米でも先進諸国では目下、議会制国家の崩壊が進行していますが、今回の投票はこの崩壊の波が議会制誕生の地である英国にも及んだことを示すものです。この投票を契機に、英国は容易に収拾できない混乱に陥るでしょう。


  投票の結果がノーになったのは殆ど当然のことでした。自治政府の政権与党であるスコットランド国民党は、投票の実施を決めたものの、どうみても独立に本気ではありませんでした。独立しても英女王を元首に戴き、通貨はイングランド銀行が管理する英ポンドを使い続けるなど独立をサボタージュするような政策を掲げていました。また経済についても、庶民には北欧型社会民主主義、企業には大減税というツジツマが合わないことを約束し、財政は「北海油田があるから大丈夫」などといい加減なことを言っていました。それに独立した場合の新しい国名も決めていませんでした。


  国民党の狙いは、中央を独立のポーズで脅して自治権でさらなる譲歩を引き出し、地元でその利権を固めることにあったようです。ですから投票で賛成反対が伯仲という事態になって党の幹部は内心ではかなり慌てていたのではないでしょうか。それが、やはり事態に慌てた中央政界の保守、労働、自由民主という主要政党がそろってスコットランドのための予算を増やすことを公約し、しかも投票結果はノーになったのだから、国民党はまんまと目的を達成したことになります。党首のアレックス・サモンドは投票結果に責任をとって近く辞任するそうですが、これもそのうちカリスマとして復活するための茶番でしょう。「改革」「希望と変化」など漠然とした甘い言葉を振りまき有権者を自分の栄達のダシにするのは今時の議会政治屋のお馴染みの手口です。国民党の場合は、それが「独立」だった訳です。しかしサモンドは「してやったり」と思っているかもしれないが、実は国民党は英国を混乱させるパンドラの箱を開けてしまいました。早くも英国の他の地域から「スコットランドだけに公共支出のための予算を増やすのはえこひいきだ」と不満の声が上がっています。


  古代にはイングランドはローマ帝国領でしたが、スコットランドはしぶとく抵抗してローマに服しませんでした。中世以来イングランドが常にフランスに対抗意識を燃やしてきたのに対しスコットランドは北欧諸国に親近感を抱いてきました。そして1707年の連合は対等な合意によるものではなく、財力にものをいわせたイングランドによる事実上の併合でした。しかしこういう歴史があったにせよ、現在の亀裂を生じさせたのは、やはり保守党のサッチャーの政策です。

 

  戦後の英国は階級社会の古い体質もあって工業国としては没落し1970年代には先進国なのにIMFの緊急融資を受けるという屈辱を味わいました。そこでサッチャーは残された大英帝国の唯一の遺産である金融業による英国の再興を図り、その代償として地方の産業を切り捨てました。この金融立国のツケは集中的に質実剛健で実業本位のスコットランドに回り、その製造業は大きな打撃を蒙りました。


  しかしスコットランドの世論が明確に独立を求めるようになったのは、それに続く労働党政権の時代です。スコットランド出身のブレアとブラウンが相次いで首相になりましたが、彼らはサッチャーの金融立国路線を継承しただけではなく、イラクに派兵するなどアメリカのエリートに密接に協力しました。その結果、長らく労働党の牙城だったスコットランドではこの長い歴史をもつ左翼政党に対する不信感が高まりました。この労働党の変質は、「右翼・左翼」という言葉に意味があった時代が終焉したことをはっきり示すものでした。


  ではなぜ左翼は死んだのか。その要因は二つあります。一つは、経済が低成長に転じたポスト工業化の時代に左翼の社会的地盤だった労働組合が弱体化して利権集団としての交渉力を失ったことです。そして左翼がこければ右翼という言葉も無意味になり、左右対立の構図によって成立している議会制国家は空洞化します。「議会と政党の制度は産業革命が胎動し始めた18世紀の英国で生まれた。その課題は工業化が次々に生み出す新しい富の分配をめぐる争いを取引によって解決することだった。議会主義の本質は有力な利権集団間の取引である。(中略)だが成長の終焉と共に議会政治は取引する材料を失い崩壊し始める」(注)。


  左翼の死のもう一つの要因は、ソ連崩壊の衝撃です。左右を問わず、現代人には国家は法的で理念的なもの、経済は物質的なものという精神と物質の二元論で国家を考える傾向があります。そこから市場は盲目の欲望で動くから国家がそれを理性でコントロールすべきだという発想が出てくる。こういう国家観の元祖は、市場を「精神の動物界」と呼んだヘーゲルです。このヘーゲルの国家観は、キリスト教神学における聖と俗の区別を近代国家に当てはめた馬鹿げたものです。しかし左翼はこのキリスト教的な国家観を信奉し、真理を把握している知的エリートが国家の力で市場をコントロールすれば理想の社会が生まれると信じてきました。そしてソ連はこういう国家観が徹底的に実現された例だったので、その崩壊は社会民主主義者をふくめて左翼に致命的な打撃となりました。


  その結果、英国労働党の場合は、俗なる市場万歳、盲目の欲望を効率よく充たす新自由主義万歳になった訳です。つまり彼らは左翼の国家観を上下さかしまにひっくり返しただけで、二元論的な国家観を反省することはなかった。近代国家は何よりも経済のシステムであり、人々の権利や義務や責任も経済と切り離して論じうるものではありません。そして近代国家の主権の核心は、通貨を発行し管理する権利であり、それに較べれば法的で形式的な主権は二次的なものです。ユーロによる通貨統合で通貨発行権を銀行の下僕のEU官僚に譲渡してしまった南欧諸国の現状を見てください。これらの国は法的形式的主権は保持していますが、それは債務奴隷になることに同意する権利にすぎません。


  このように国家観が間違っていたから、労働党は国家が通貨発行権を銀行業界に譲渡していることが現代国家の根本問題であることにも気付きませんでした。この譲渡ゆえに私企業である銀行が影の、そして真の主権者になっており、租税国家はそれを補完する銀行経済のサブシステムにすぎないのです。その結果、旧ソ連には一党独裁と指令経済があったように、いわゆる自由民主主義諸国では99%の一般国民を犠牲にして1%の富裕層を潤す銀行独裁がまかり通っています、政府は富者のための社会主義、中央銀行は富者のための計画経済を実施しています。日本のアベノミクスもそうしたものです。この銀行主権の下では、中央銀行、財務官僚、議会政治家が三位一体の支配体制を構成しています。そして銀行が主権者である以上、選挙でどの党に投票しても何も変わりません。


  スコットランド人が求めたのは、実際にはこの銀行主権からの独立、英国を支配するロンドンという国際金融センターからの独立でした。各国の銀行業界は中央銀行という形でカルテルをつくっています。そして各国の中央銀行は連携して国際金融カルテルをつくっており、IMFなどはその代弁者です。このカルテルは映画やアニメに出てくる世界征服の陰謀を企む秘密結社そこのけで、各国の中央銀行、財務官庁、政府と議会はそれが送り込んだ占領軍のようなものです。スコットランド人はこのグローバルな金融資本による占領に抵抗しているという意味で愛国的な”ナショナリスト”です。しかし労働党からスコットランド国民党に支持政党を変えただけでは独立は達成できませんでした。所詮、議会政治屋は占領から利権を得ている人種だからです。だが住民投票を契機とした今後の英国の混乱の中で、人々は英国と世界の現状について認識を深めていくでしょう。議会政治の枠内で右翼左翼で争っていた時代は終わり、現代世界の争点はグローバルかローカルか、金融グローバリズムと地域に根ざす民衆のローカルなデモクラシーの争いであることに気付くでしょう。このローカルなデモクラシーはまた、人々に法的形式的な権利を保証するだけでなく、経済生活に参加する権利を具体的に保証する経済のデモクラシーでもあるべきです。デモクラシーは原理としては権力の分散を意味しています。ですから首相や大統領への権力の集中をデモクラシーと呼ぶ欺瞞とは手を切り、国民投票制などの直接民主主義や地方主権の拡大による権力の分散も人々の課題になるでしょう。


  現在、日本や欧米各国の政府はどこでもグローバル金融資本の司令部の指示で動いています。だからスコットランドの出来事は日本人にとっても人事ではありません。90年代に日本でバブルが破裂した際に政府はマネーゲームに走って破綻した銀行を国民の血税で救済しました。これ以来、与党が民主であれ自民であれ、政府はこの司令部の指示に従い、事実上破産している銀行の救済に狂奔しています。安倍政権による通貨の大増刷や消費税の増税も、溺死寸前の銀行を浮かせるための政策です。消費税の増税はIMFの要請によるもので、負債がGDPの2・5倍という日本国家を財政的に維持する費用をできるだけ国民に負担させて日本国債に対する投資家の不安を和らげ、銀行が国債ビジネスを今後も続けられるようにするためのものです。デフレの中で消費税を増税すれば経済がさらに低迷することは子供でも分る。だがIMFがそれでも増税を要請するほど銀行の経営は危うくなっている。「銀行栄えて国滅ぶ」が世界経済の現状であり、そして通貨発行権を握る影の主権者である銀行に逆らえる者はいません。


   また主婦の労働力化と移民の導入もOECDが以前から日本に要請していたもので、銀行が管理するマネーフローの外にいる人間を減らし彼らを課税対象にするための政策です。またアベノミクスによる通貨の大増刷は、インフレを経済成長の代用品にしようとするものです。インフレで通貨が減価すれば国家、企業、銀行自身が抱える負債の重さが減り、銀行と富裕層が保有する株など金融資産の名目価値が水膨れする。しかしこれは一般勤労国民には賃金給与が低迷したままでの物価の上昇という塗炭の苦しみになります。通貨の大増刷も結局、ゾンビ銀行を維持する費用を国民に負担させるもので、通貨価値の減価という形での国民の所得と貯蓄に対する間接的な課税といえます。      

   2008年のリーマンショック以来、アメリカの連銀は量的緩和(通貨の大増刷)で破綻したメガバンクを延命させようとしてきました。これはすでにパンクしたタイヤになんとかポンプで空気を入れようとするような措置でした。そしてこれは連銀というより国際金融カルテルが決定した政策であり、ドルの過剰供給の影響は世界の殆どすべての銀行業界に及びました。 しかし失敗した企業は破産して退場ということが市場経済の原則であるはずです。だからマネーゲームで失敗した銀行はすべて破産させればよかったのです。だが各国の中央銀行と政府は二人三脚で市場原理に逆らい、ここ5年にわたり利子ゼロの資金をつぎ込んでゾンビ銀行を救済しようとしてきました。 だから経済の現状を市場原理主義として批判する人は問題を勘違いしています。これは銀行の本性とはいえ、銀行の独占経済がかってない規模で市場原理の働きを阻止してきたのです。そして量的緩和は、景気を上向かせるどころか,99%の一般勤労国民と1%の富裕層との格差を決定的に拡大しました。


  しかし市場原理にいかに逆らっても、長期的にはこの異常な政策に対して市場から是正の圧力がかかります。この10月に連銀が量的緩和を打ち切り、おそらく利上げにも踏み切ることは、そうした圧力の例です。しかし連銀の方向転換は是正に終わらず、破局につながる可能性があります。これによって量的緩和が市場に逆らって作り出してきた株や国債など資本市場の虚構の相場が一挙に崩壊するかもしれない、一挙にではなくても、市場を封殺してきたことに対する反動は大きなものになるでしょう。そして経済が再びリーマンショック状態になっても、連銀と政府にはもう打つ手はありません。またもや量的緩和という訳にはいかない。 こうして銀行と国家の制度としての機能が全面的に停止するゼロの瞬間が近づいてきます。そして今後英国が陥るであろう混乱は、このゼロの瞬間を部分的に先取りするものになると思われます。  

 
(注) 農文協のブックレット「規制改革会議の農業改革」に所載の拙稿「なぜ議会制国家は崩れ去りつつあるのか」より引用。同書15頁。