ベーシックインカム二冊のご著書のミニ紹介

「実現を探る会」に寄贈された、二冊の本をご紹介いたします。

どちらも、いまの通貨体制とは違う、オルタナティブな通貨体制論をベーシックインカムがらみでご提案されています。偶然だとは思いますが、おふたりとも、「減価マネーシステム」を応用されています。このような貨幣システムの構築は、民間で、先の大恐慌後にもたくさんでてきました。主流の経済学からは別の視座で問題提起したダグラスやゲゼルなどの試みとつながるものでしょう。きちんと二冊とも批評文を書きたいと思いながら、白崎の多忙と怠慢で、遅くなってしまいました。心よりお詫び申し上げます。いずれ、お二人に対しては、私と考えの違うところもありますが、なんらかの形で内容的なご紹介をしたいと思います。まずは、この冒険的な著作の試みをぜひともみなさんにお広めいただきたいと思います。(白崎一裕)

若い人向けのベーシックインカムのご紹介文章

代表の白崎一裕です。 ウェブメディア 「Work Switch」に、ベーシックインカムの入門的な文章を書かせていただきました。編集部の注文は、まったく予備知識のない、20代の働く女子・男子向けに書いてほしいということでした。限られた字数でしたので、限界はあるかもしれません。

ご参考まで。

http://workswitch-ibs.inte.co.jp/basic-income/

 

他団体の情報・9.22京都 関曠野氏講演会

ベーシックインカム、通貨改革ともかかわりの深い内容です。関連で、関さんの新著『なぜヨーロッパで資本主義が生まれたか』の書評を、白崎が、以下の「現代の理論」に書かせていただきました。

http://gendainoriron.jp/vol.09/review/re01.php

● 9.22 関曠野氏京都講演会「今、歴史を問いなおす――グローバリズムの破綻とナショナリズムの問題――」

【講演者(せき・ひろの)】思想史家。1944 年東京生まれ。早稲田大学文学部を卒業後、共同通信社に入社し、名古屋支社、国際局海外部などをへて1980 年からフリーランスの文筆業。

著書に『プラトンと資本主義』(北斗出版)、『民族とは何か』(講談社現代新書)、『フクシマ以後――エネルギー・通貨・主権』(青土社)、『グローバリズムの終焉』(農文協)、最新刊『なぜヨーロッパで資本主義が生まれたか』(NTT 出版)など多数。

今年6月のイギリスのEU離脱は世界を大きく揺さぶった。EU加盟国内に広がる反ユーロ・反移民受け入れ党の躍進。覇権国アメリカの凋落とともに明らかになってきたグローバリズムの破綻。今、問われているのは、ネーション、ステイト、ナショナリズムの問題であり、19世紀から現代までの変遷と21世紀のあり方を展望する。

日時=2016 年9 月22 日(木曜日、秋分の日)

午後1 時30 分開場、午後2 時開演

(終了予定午後4 時30 分)

会場=キャンパスプラザ京都4 階第3 講義室

(京都市下京区西洞院通塩小路下ル、JR 京都駅より

5 分、駅ビル駐車場西側・京都中央郵便局西側)

入場料=800 円(学生500 円)事前申し込み不要

主催=ベーシックインカム読書会(問い合わせ先090-8367-2600)

他団体の情報・伊田広行さん「労働:生活保護:ベーシックインカム」セミナー

労働と暮らしのセミナー

「労働:生活保護:ベーシックインカム」

2016年9月22日(祝:秋分の日)Studio Citizenで開催します

年々深刻化する労働条件の悪化と貧困と格差の拡大。そんな現状を踏まえ日本国内では賃金格差の是正の動きと、生活保護世帯の増加と抑止の動きが混在しています。また一方でヨーロッパでは予め国民に、ある程度の現金支給を行うベーシックインカムの導入の動きが高まっています。

しかし一方で日本でもベーシックインカムの導入運動の一方で、ホリエモンや維新の会など新自由主義勢力からも、ベーシックインカムの導入論が提唱され、導入と引き換えに生活保護や各種福祉制度の削減、撤廃を求める意見が示され、それに対する警戒心も高まっています。

そこで今回ユニオンぼちぼちのメンバーで、ベーシックインカム研究の第一人者の小沢修司先生と対談された伊田広行さん(社会学)をお招きし、生活保護とベーシックインカムの共存、労働の課題を考えます。

プログラム 開催日 9月22日(木:祝:秋分の日)

会場:Studio Citizen http://citizen-p.com

吹田市千里山東1-10-4 サンシャインビル3F

TEL 06-4860-6756

阪急千里山線関大前北口下車徒歩約5分

主催 NPO法人近畿地域活性ネットワーク

後援 道州制と地域学会

午後3時受付開始

3時半 開会挨拶と「ベーシックインカム:生活保護と勤労意識と国民世論」

山中鹿次 3時50分~4時50分「労働:生活保護:ベーシックインカム」伊田広行

10分程度休憩後 参加者との質疑応答、意見交換。6時頃から懇親会

参加費 500円 懇親会参加はプラス1500円(懇親会のアルコールは実費)

申し込み:問い合わせ 当日参加でOKです。なお問い合わせは

お店

主催者

以下のブログでも案内告知します

主催者 http://ameblo.jp/yamashika1959/

会場のお店 http://ameblo.jp/griripon/

スイス・ベーシックインカム国民投票否決

  • 各種報道でご存じだとは思いますが、スイスのベーシックインカムに関する国民発議の国民投票は、以下のHPにもあるように「否決」という結果でした。「実現を探る会」としては、個人の署名コメントを今後、掲載予定としています。

http://www.swissinfo.ch/jpn/r%C3%A9sultats-des-votations-du-05.06-2016-en-suisse/42167652

古山明男さん「ベーシックインカムのある暮らし」連続講座

    2回連続講座「ベーシックインカムのある暮らし」

    ベーシックインカムについて、お話しをします。「すべての個人に、無条件で、最低生活費を支給する」のが”ベーシックインカム”

    です。そんなことって実現可能なの?私たちの暮らしはどうなるの?
    非現実的な妄想?・・・いえいえ、これは実現可能なことなんです。...これからの暮らし方を一緒に考えてみませんか?

     

    <第1回> 6月16日(木)10時~
    “働かざる者食うべからずか”

     

    <第2回> 6月30日(木)10時~
    “お金のしくみと「生活本位制マネー」”

     

    場所 「カフェどんぐりの木」千葉市稲毛区
    千葉市美浜区高洲1-16-46
    ・京葉線稲毛海岸駅から 徒歩8分

    <参加費> 800円(お茶つき)
    <会場・申し込み>cafeどんぐりの木
    電話・FAX 043-301-2439
    メール donguri35506@yahoo.co.jp

「震災復興へのベーシックインカム・通貨改革支援について」

ベーシックインカム・実現を探る会代表 白崎一裕

今回の熊本・大分などの震災で被災されたすべての皆様に心からお見舞い申し上げます。また、残念ながら亡くなられた方々へ心よりお悔やみ申し上げます。様々な方法・関わりで多様な支援が行われていると思います。私も3・11東日本大震災時には栃木県北で被災いたしましたので、本当に、現地は、いま大変なことであろうと推察いたします。その3・11直後に、ベーシックンカム・実現を探る会も主催・参加して「震災復興所得保証を要求する院内集会」を行いました。そのときに、出させていただきました提言(一部訂正しました)を以下に再掲いたします。この提言は、こんどの震災でも有効であると思いますのでみなさまにご参考にしていただければ幸甚です。

~~震災復興基礎所得保障等を政府に要求する声明~~~~~

被災者、そしてすべての人々へベーシック・インカムを!!~...

「3・11」。この日は、日本の歴史の大きな裂け目として記憶されるであろう。復興へのプランが様々な立場から提言されているが、政府に対して、生活福祉資金貸付(緊急小口資金)をはじめとする被災者生活再建支援法など、現行関係法規の積極的活用と柔軟な運用、医療・介護・雇用・住宅・教育・子育てに関する支援の方策の充実が求められている(注1)。

にもかかわらず、それらの申請は複雑であり、すでに制度からこぼれ落ちる人々が出ている。また行政機構も含めたすべての生活基盤が奪われ、雇用が暮らしを支えるようになるまでには多大な時間と試行錯誤が必要である。そのような状況の下、いま、私たちは要求する!まずは、緊急に個人単位・無条件の所得保障として被災地域のすべての人々に月額15万円の支給を。期間を5年とし、支給対象地域を岩手・宮城・福島三県および近隣県の被災基礎自治体とする(注2)。

支給の条件を「個人単位・無条件」とすることで、一人ひとりの生活の多様性を損なわない柔軟な所得保障が実現され、将来が見えない被災者の物質的・精神的な支えとなるであろう。地域の消費にまわることで地域自給を促す迅速な経済回復にも有効である。地域・地方の経済再生は、個人への所得保障から始まるといっていい。さらに、この所得保障をベースに、医療・介護・雇用・住宅・教育・子育てなどの支援(現物給付など)を総合的に組み立てることもまた、すべて政府の責任においてなされるべきである。所得保障によって、義援金を地域のインフラ整備などにも回すことが可能になる。財源を懸念する声もあるかもしれない。復興費用試算は20~30兆円、これに加えて原発対策関連費用が10兆 円を超えるといわれている。阪神・淡路のときの復興費用は、当初、10兆円といわれたが、結果はその1.5倍以上の16兆円だった。この莫大な費用の捻出は増税、緊縮財政や通常の国債発行では賄いきれないであろう。ここは、震災国債発行による日銀の直接引き受けによる方法が最も望ましい。日銀からの資金は直接国庫に入金され、国の借金を増やすことなく、結果として利子もつかない。被災したすべての人々、そしてこの国に暮らすすべての人々が希望をもてる社会の実現に向けて、わたしたちは、基礎所得保障を基盤とした総合的な復興政策の実施を要求する。

 

以上注1:大阪弁護士会「東日本大震災における被災者の生活再建に係る関係法規の運用改善及び法改正に関する緊急意見書」 (4月7日付)参照。注2:ちなみに岩手・宮城・福島三県を「震災特区」として所得保障を実行した場合、総人口567万人×月額15万円で年間10兆2,114億円。震災復興費用には、この所得保障分を含めた予算組が必要となる。近隣基礎自治体の中では、茨城県の各自治体も広域に含まれるが、この概算では省略した。

他団体ベーシックインカム・通貨改革イベント

  • 3月から4月にかけての他団体のイベントご紹介です。こちらで把握しているもので、期日がギリギリのものもありますが、ご容赦ください。

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  • この度、ベーシックインカム勉強会関西主催の講演会を開催することになりましたので、お知らせさせていただきます。

定員に限りがございますので、ご参加の方は申し込みをお願いします。

皆様のご参加をお待ちしております。

以下ベーシックインカム勉強会関西HPの「次回勉強会について」に詳細を掲載しております。

https://sites.google.com/site/basicincomekansai/notice/cihuimianqianghuinitsuite

開催場所:Studio Citizen(スタジオ・シチズン) http://citizen-p.com/

阪急電鉄千里線 「関大前駅」北改札より徒歩5分

大阪府吹田市千里山東1-10-4 サンシャイン関大前3F

TEL.06-4860-6756/090-9875-7157(代表 西岡正士)

開催日時:2016年3月26日(土) 15時00分頃(受付14:30~)から17時半頃まで。参加費500円(ドリンク注文の方は別途)

二次会・懇親会。別途参加費2000円(フリードリンク・フード付き)。17時半頃から19時半まで。

※参加人数に限りがありますので、申込者優先です。

(BI関西ゼロゼロ)

(既に参加表明されている方は不要です)。

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  • ベーシックインカム勉強会関西・オープンミーティングin京都

    2016年3月21日(月)12時から17時まで(お好きな時間に来て、お好きな時間まで)

    会場:京都市岡崎いきいき市民活動センター会議室2

(センターは東山二条から岡崎へ向かって歩くと、北東角に細見美術館があります。その手前2軒の建物です。会議室2は、その建物とは別で、突き当りの建物の2階です) http://okazaki-iki-iki.org/access.htm

ベーシックインカムに関心をお持ちの方同士の交流を目的とした茶話会です。

講師などはお迎えせず、集まった者同士でお茶でも飲みながら、ベーシックインカムについて語り合います。ベーシックインカムに興味を持ったきっかけ、ベーシックインカムに感じる希望や不安、実現に向けてのプランなど、ざっくばらんにお話し出来たらと思います。

お飲み物、菓子などは各自で好きなものをお持ちより下さい。

会場費は投げ銭(任意)制にします。

申し込みは不要です。直接会場へお越し下さい。

※3月26日(土)ベーシックインカム講演会につきましては、現在まだ残席がございますので、ご参加の方は申し込みをお願いします。

以下ベーシックインカム勉強会関西HPの「次回勉強会について」に詳細を掲載しております。

https://sites.google.com/site/basicincomekansai/notice/cihuimianqianghuinitsuite

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関曠野氏 講演

グローバリゼーションからローカリゼーションへ

――「農」の時代の兆しのなかで

2/4TPP協定の署名が行なわれたが、米国大統領選では候補者たちがTPP反対を競い合っている。グローバリゼーションの徹底をめざすTPPであるが、そもそもグローバリゼーションとは何なのか。それは大多数の人々にとってどんな意味を持つのか。世界的な通貨貿易秩序が崩壊の様相を呈するなか、資本主義、貿易、国家、通貨、経済成長などの再定義をつうじて時代の本質を明らかにし、草の根の地域社会が甦るローカリゼーションへの途をさぐる。

日時=2016年4月23日(土) 13:30~18:00(講演開始は14:00)

場所=NTCコンサルタンツ 中野区本町1-32-2 ハーモニータワー20階

参加申し込み

  • 参加費:500円(ただし資料代)

  • 参加申し込み:参加希望者は事前に へご連絡下さい。

※関曠野氏の近著

『グローバリズムの終焉: 経済学的文明から地理学的文明へ』

(農文協、2014年)

http://www.amazon.co.jp/dp/4540092162

※研究会終了後には講演者(関曠野氏)を交えての懇親会を予定しています。懇親会の参加費は4000円です。

※問い合わせ先

NTCコンサルタンツ(株)開発事業部内 山崎農業研究所 事務局 益永

TEL:03-5333-2051 e-Mail:

スイス・ベーシックインカム国民投票 6月5日(2016年)に決定

スイスの連邦憲法の改正を伴う、ベーシックインカム国民投票が、今年の6月5日に決定しました。

以下、関連の記事です。

https://en.wikipedia.org/wiki/Swiss_referendums,_2016

以下も関連記事ですが、BI導入後も働くことはやめる人はごく少数・2%、生きることの不安から解放されるということ等の意味があるということで、積極的評価ですね。

http://www.basicincome.org/news/2016/01/switzerland-only-2-of-people-would-stop-working-if-they-had-a-basic-income/

スイスのダイレクトデモクラシーとベーシックインカム

スイスのベーシックインカム(BI)運動をはじめた、エノ・シュミット氏(アーティスト)のインタビ ­ューです。イニシアティブ(国民投票)の意義と深く結びついているBI運動の意味について語っています。BIの憲法条文案は、短くして人間の尊厳には、所得が必要だ~~というぐらいのものであとは、みんなで、議論するというスタンスだということです。興味深いお話ですので、ぜひ、ご参考にしてください。

https://www.youtube.com/watch?v=bBbStPsvm1g

2016年もどうぞよろしくお願いいたします

  • 新年明けましておめでとうございます ベーシックインカム・実現を探る会代表 白崎一裕

 

2015年は、ベーシックインカムや通貨改革でも様々な動きがあった年でした。スイスのベーシックインカムや通貨改革の国民投票署名の集まり。アイスランドの政府通貨プランの発表。オランダ・ユトレヒト市をはじめとする地方自治体でのベーシックインカム実験計画。フィンランドでの政府レベルでのベーシックインカム実験計画の報道(実施される!という先走り誤報騒ぎも含めて)。等々です。また、ブラジル・リオデジャネイロ州の人口15万ほどの都市マリカの地域通貨支給の件も含めて、これらの動きを簡潔に、同志社大の山森さんがコンパクトにまとめているので、以下のサイトをご覧ください。

http://blogos.com/article/151914/

また、スイスのベーシックインカムイニシアチブの英文HPも以下にあげておきます。

http://bien.ch/en

2016年は、上記の動きが継続して行われるでしょう。特にスイスの国民投票の行方は気になるところです。

ヨーロッパでのベーシックインカムや通貨改革の議論の政策的取り扱いは、量的緩和政策の完全な行き詰まりなどにあらわれている、経済・国家運営の停滞感を打破したいとの思惑が背景にあると思われます。その結果、特にベーシックインカムの場合、福祉国家のリストラ策に利用されている節があります。これでは、銀行マネーなどを温存したままでの現行租税国家の延命プランにすぎないと考えます。そういう意味では、個人的に、もう「ベーシックインカム」という用語を使うのをやめたほうがいいのでは!?と思うこともありました。

今年も、このことを考えながら引き続きベーシックインカムと通貨改革を取り巻く状況をみていきたいと思います。

(2016年1月1日)

フィンランドのベーシックインカム報道について

フィンランドのベーシックインカム報道について

ベーシックインカム・実現を探る会代表 白崎一裕

ここ2~3日の間に、ネット上で「フィンランドでベーシックカム導入!」という記事が英文や日本語などで紹介され話題になりましたが、後に「誤報」と伝わりました。

最初に紹介された欧州のサイトでも最終決定は来年後半(11月?)というように書かれていて「実施された」とは書いていないのですが、以下のBIEN(ベーシックインカム世界ネットワーク)のサイトが、今回の「誤報」の事情をよく伝えています。

http://www.basicincome.org/news/2015/12/finland-basic-income-experiment-what-we-know/

以前から、フィンランド政府(4月に誕生した新政権)が、教育や福祉制度の見直しの一環としてベーシックインカム制度について検討をしてきたのは事実のようです。

たとえば、非正規雇用の増大などによる労働市場の変化、公的支出の増大、福祉制度の煩雑さや官僚化等々、日本も含めて世界的規模で問題になっている課題に対してなんとかしようという問題意識です。

そのために、KELAという政府機関(社会保険庁関連)が中心になり、今年10月末に予備的調査をはじめた~~というのが実態のようです。その調査では、四つの実現可能性のある選択肢があり、ひとつは、完全なベーシックインカムで、福祉給付などを整理統合してひとりあたり、月に800ユーロというもので、この数字が報道では一人歩きしたようです。あとは、部分的なベーシックインカム(月550ユーロ)や負の所得税などもプランにあげられています。今回は、これらの改革案の選択肢において、それぞれの効率性や労働意欲に与える影響などを分析するための「実験」というわけです。

今後のスケジュールとしては、他国のベーシックインカムの試験的導入などの調査などもまとめて2016年春に政府に提出して、そこから制度設計を2016年後半にかけて試行し、その制度実験を2017年にスタートする予定らしいです。

私個人としては、意欲的にベーシックインカムの制度実験を政府レベルで行うことについては評価しますが、このフィンランドの場合も、財政的にも不透明ですし、また、「福祉制度リストラ策」のニュアンスが強いと思います。これでは、制度化されても十分機能しないと考えます。やはり、「実現を探る会」のサイトでいままで、ご紹介してきたような「社会信用論」の発想に立ったベーシックインカムの可能性について議論をすべきだと考えます。(2015年12月10日記)